サイディング張り替え費用の相場|30坪150万〜300万円の内訳

サイディング張り替え費用の相場を解説する記事のアイキャッチ画像

【PR】この記事には広告(アフィリエイトリンク)が含まれます。リンク経由でお申し込みがあった場合、当サイトは提携先から報酬を受け取ることがあります。報酬の有無によって記事内の評価を変えることはありません。詳細は広告掲載ポリシーをご覧ください。

サイディングの張り替え費用は、延床30坪の戸建てで総額150万〜300万円が中心帯です。同じ坪数でも、選ぶ外壁材と既存外壁の解体・処分費、下地の傷み具合で100万円以上ひらきます。さらに2004年以前に建てられた家では、石綿(アスベスト)含有建材の事前調査と処分が上乗せされる可能性があります。この記事では、費用の内訳を項目単価まで分解し、張り替え・重ね張り・塗装の3択を30年間のライフサイクルコストで比べます。

目次

サイディング張り替えの費用相場は延床30坪で150万〜300万円が中心

結論から書きます。サイディングの全面張り替えは、延床30坪クラスの一般的な戸建てで150万〜300万円が最も多い価格帯です。㎡単価に直すと、材料費と施工費を合わせて7,000〜15,000円/㎡が目安になります。

複数の情報源を突き合わせると、次のような数値が示されています。リショップナビ外壁塗装は張り替え工事を170万〜250万円、リショップナビは張り替え150万〜300万円(工期10〜25日)、外壁塗装の窓口は延床120㎡程度の住宅で100万〜250万円としています。一方でSUUMOリフォームタイムズは240万〜600万円という広い幅を示しています。

サイトによって相場がばらつく3つの理由

同じ「サイディング張り替え」でも、掲載されている金額が2倍以上ちがうことがあります。理由は主に次の3つです。

  • 想定している外壁材が違う:窯業系サイディングと木質系サイディングでは、材料費の㎡単価が数倍ちがいます。木質系を前提にすると総額は跳ね上がります。
  • 下地補修をどこまで含むか:透湿防水シートの張り替えだけを見込む見積もりと、胴縁や柱の腐食補修まで見込む見積もりでは、数十万円の差が出ます。
  • 想定する建物の大きさが違う:「30坪」が延床30坪(施工面積おおよそ119㎡)なのか、建坪30坪(延床約60坪・約238㎡)なのかで、面積は倍ちがいます。

本記事では、当サイトの他記事と共通の前提として「延床坪数 × 3.3 × 係数1.2」で施工面積を出し、延床30坪=約119㎡として計算します。

延床面積施工面積の目安張り替え費用の目安工期の目安
20坪約79㎡約100万〜210万円10〜20日
30坪約119㎡約150万〜300万円10〜25日
40坪約158㎡約190万〜380万円15〜30日
50坪約198㎡約230万〜460万円20〜30日
施工面積は「延床坪数×3.3×1.2」で算出。金額は㎡単価7,000〜15,000円(外壁塗装の窓口)と各社の総額相場(リショップナビ/リショップナビ外壁塗装)をもとに編集部が算出した目安です

なお、工期については街の外壁塗装やさんが掲載している施工事例で「約20日間」「28日間」「約1か月」と、1か月近くかかったケースも紹介されています。塗装なら1〜2週間で終わることを考えると、張り替えは生活への影響が大きい工事です。

張り替え費用の内訳と項目別の単価

張り替えが塗装より高くなる最大の理由は、「既存外壁をはがして捨てる費用」と「下地をつくり直す費用」が上乗せされる点にあります。塗装の見積書には存在しない項目です。

項目単価の目安延床30坪(約119㎡)の概算
仮設足場600〜1,500円/㎡約10万〜25万円
養生—約8万〜12万円
既存サイディングの撤去1,000〜1,500円/㎡約12万〜18万円
撤去材の処分(廃材処分費)500〜1,000円/㎡約6万〜12万円
透湿防水シートの張り直し—約4万〜7万円
胴縁(下地)の設置850〜1,870円/㎡約10万〜25万円
サイディング材3,000〜10,000円/㎡約36万〜120万円
張り手間(施工費)2,500〜3,250円/㎡約30万〜39万円
シーリング(打設)900〜1,500円/m約14万〜30万円(総延長150〜200m想定)
土台水切りの設置—約5万〜7万円
運搬費・諸経費—約10万〜13万円
出典:撤去1,000〜1,500円/㎡・処分500〜1,000円/㎡はリフォームの匠美、胴縁・材料費・張り手間・養生・水切り・諸経費はリショップナビ。足場とシーリングの単価は当サイト共通の目安レンジ

撤去と処分を合わせると1㎡あたり1,000〜2,500円程度で、リフォームの匠美は延床30坪で約15万〜30万円、40坪で約20万〜40万円を目安として示しています。ここが張り替えと重ね張りの分かれ目になる金額です。

足場代は「塗装面積」ではなく「足場架面積」で計算するため、外壁面積とは別に算出されます。単価の幅はメッシュシート込みかどうかで生じることが多く、詳しくは外壁塗装の足場代の相場で解説しています。見積書全体の読み方は外壁塗装の費用内訳もあわせてご覧ください。

総額に占める割合で見る内訳

金額ではなく割合で押さえておくと、見積書の妥当性を判断しやすくなります。

費用項目総額に占める割合の目安
既存外壁の解体・撤去10〜20%
廃材処分5〜10%
下地補修・防水シート再施工10〜20%
サイディング材の費用30〜40%
施工費用20〜30%
出典:外壁塗装の窓口

解体・撤去と廃材処分だけで総額の15〜30%を占めます。逆に言えば、この部分を丸ごとカットできるのが重ね張り(カバー工法)です。

サイディングの種類別に見る材料費と耐用年数

総額を最も大きく動かすのが外壁材の選択です。材料費は総額の30〜40%を占めるため、㎡単価が2倍になれば総額も数十万円単位で変わります。

種類材料費の㎡単価耐用年数の目安重量(1㎡あたり)
窯業系サイディング3,000〜8,000円約25〜30年約17.5kg(厚さ16mm)
金属系サイディング3,000〜9,000円約20〜30年約3.6〜4kg(ガルバリウム鋼板)
樹脂系サイディング4,000〜10,000円——
木質系サイディング6,000〜30,000円——
出典:単価はリショップナビおよびSUUMOリフォームタイムズ、耐用年数と重量は街の外壁塗装やさんおよびリショップナビ。「—」は今回の調査で信頼できる数値を確認できなかった項目です

窯業系サイディングは日本窯業外装材協会(NYG)によると新築戸建て住宅の外壁の75%以上で使われており、厚さは14mm〜26mmまで幅があります。金属サイディングは窯業系より大幅に軽く、テイガクは窯業サイディングの約4分の1、モルタルの約10分の1の重さと説明しています。建物への負担を減らしたい場合の選択肢になります。

張り替え・重ね張り・塗装の3択を30年のライフサイクルコストで比較する

結論として、初期費用だけを見ると塗装が最も安く、30年単位の総支出で見ると差は大きく縮まります。工事の善し悪しは初期費用だけでは決まりません。

まず初期費用を比べます。

工法初期費用の目安工期の目安既存外壁の扱い
塗装60万〜180万円5〜14日そのまま残す(塗り替えのみ)
重ね張り(カバー工法)100万〜350万円10〜20日そのまま残し、上から新しい外壁材を張る
張り替え150万〜300万円(材料により600万円まで)10〜25日すべて撤去して処分する
出典:リショップナビ、リショップナビ外壁塗装、SUUMOリフォームタイムズ

次に、30年間でどれだけ支出するかを試算します。前提は「延床30坪・施工面積約119㎡」「工事を始めた時点の外壁が塗装で維持できる状態である」「物価変動は考慮しない」の3点です。あくまで概算であり、実際の金額を保証するものではありません。

選択肢初期費用次の大きな工事までの目安30年間に想定される工事30年間の概算合計
塗装で維持し続ける60万〜180万円10〜15年塗り替え2〜3回約120万〜540万円
重ね張り(金属系)を1回100万〜350万円20〜30年重ね張り1回+シーリング補修など0〜1回約100万〜470万円
張り替え(窯業系)+以後は塗装150万〜300万円本体25〜30年/塗装10〜15年張り替え1回+塗り替え1〜2回約210万〜600万円
張り替え(金属系)140万〜270万円20〜30年張り替え1回+部分補修約140万〜390万円
編集部による概算試算。単価の出典はリショップナビ、リショップナビ(ガルバリウム鋼板)、SUUMOリフォームタイムズ。実際の費用は建物の状態・地域・時期で変動します

この試算から読み取れることは3つあります。

  • 塗装は1回の負担が軽い代わりに回数が増えるため、30年で見ると張り替えと総額が逆転する場合があります。
  • 足場は工事のたびに必要です。回数が減れば、その分の足場代(1回あたり10万〜25万円)も減ります。
  • 張り替えても窯業系サイディングを選べば、10〜15年後に塗り替えが必要になります。「張り替えたらメンテナンス不要」にはなりません。

ただし、この試算は「今の外壁が塗装で維持できる状態である」ことが前提です。下地まで傷んでいる家では、そもそも塗装という選択肢が成立しません。次の2つの章で、その見極め方を説明します。塗装で対応できるケースの費用感はサイディング塗装の費用で詳しく解説しています。

2004年以前の窯業系サイディングとアスベスト調査・処分費という見落とし

張り替えを検討する家の多くは築25年以上です。ここで見落とされやすいのが、既存の窯業系サイディングに石綿(アスベスト)が含まれている可能性と、それに伴う調査・処分の費用と法的手続きです。塗装や重ね張りでは既存材をはがさないため表面化しませんが、張り替えでは必ず向き合うことになります。

石綿含有窯業系サイディングは1960年から2004年まで製造されていた

国土交通省・経済産業省が整備する石綿(アスベスト)含有建材データベースによれば、石綿含有窯業系サイディングは製造開始が1960年、製造終了が2004年と記載されています。出隅・入隅用の役物、土台水切り、中間水切り、軒天井用見切りといった付属部材も同様の扱いです。

石綿そのものについては、厚生労働省 東京労働局の資料で「石綿及び石綿をその重量の0.1%を超えて含有する全ての物」の製造・輸入・譲渡・提供・使用が禁止されており、基準日は平成18年(2006年)9月1日と示されています。

つまり、おおむね2004年より前に建てられた住宅の窯業系サイディングには、石綿が含まれている可能性があるということです。含有しているかどうかは、外観だけでは判断できません。

事前調査は工事の規模にかかわらず義務。報告は80㎡・100万円が基準

ここは誤解が多いところなので、丁寧に整理します。

大阪府の石綿事前調査結果報告制度の解説では、報告対象に該当しない工事であっても「建築物や工作物の解体・改修工事を行う際には、事前調査を実施する必要があります」と明記されています。調査そのものは規模を問わず必要で、規模の基準は「行政に結果を報告するかどうか」の線引きです。

報告が必要になる規模は、環境省および厚生労働省 石綿総合情報ポータルサイトで次のとおり示されています。

工事の種類報告が必要になる規模
建築物の解体工事床面積の合計が80㎡以上
建築物の改造・補修(改修)工事請負代金の合計が100万円以上(税込)
工作物の解体・改造・補修工事請負代金の合計が100万円以上(税込)
船舶(鋼製)の解体・改修工事総トン数20トン以上
出典:環境省「石綿事前調査結果の報告について」、厚生労働省 石綿総合情報ポータルサイト。請負代金には材料費を含み消費税も含むが、事前調査の費用は含まない

サイディングの張り替えは「建築物の改修工事」に当たり、費用は150万円を超えることが大半です。戸建て住宅の外壁張り替えは、ほぼ確実に報告義務の対象になると考えてください。

制度の開始時期は、環境省の報道発表資料によると令和4年(2022年)4月1日です。根拠法令は大気汚染防止法(都道府県等への報告)と石綿障害予防規則(労働基準監督署への報告)の2本立てで、施工業者は1回の操作で両方に報告できるとされています。

さらに、厚生労働省 石綿総合情報ポータルサイトによれば、令和5年(2023年)10月1日以降の事前調査は「建築物石綿含有建材調査者」などの有資格者が行う必要があります。資格は一般建築物石綿含有建材調査者、一戸建て等石綿含有建材調査者、特定建築物石綿含有建材調査者の3種類で、根拠は石綿障害予防規則第3条です。

見積書に「石綿事前調査費」の項目がまったく無い場合、この手続きが想定されていない可能性があります。金額の多寡以前に、業者に確認しておきたいポイントです。

レベル3建材の撤去・処分でどれくらい上乗せされるか

石綿含有の窯業系サイディングは、飛散性の低い「レベル3(成形板等)」に分類される建材です。飛散性の高いレベル1・2に比べれば工事の制約は軽いものの、通常の解体より手間と処分費がかかります。

民間の施工情報として、アスベスト除去ナビは石綿含有の外壁サイディング撤去を4,000〜10,000円/㎡(税抜)、事前調査・分析調査費を3万〜15万円としています。石綿を含まない場合の撤去・処分が1,000〜2,500円/㎡であることを踏まえると、含有が判明した場合は撤去・処分だけで数十万円単位の上乗せになり得ます。

ただし、この㎡単価は公的機関が公表した統計ではなく、施工事業者が示す目安です。国が全国一律の除去費用を公表しているデータは、今回の調査では確認できませんでした。実額は必ず見積もりで確認してください。

建設リサイクル法の届出は、戸建ての外壁張り替えでは通常対象外

「解体を伴うから建設リサイクル法の届出が必要では」と心配される方がいますが、外壁の張り替え単体では対象外になるのが一般的です。

環境省「建設リサイクル法の概要」によると、対象建設工事の規模基準は次のとおりです。

  • 建築物の解体工事:床面積80㎡以上
  • 建築物の新築・増築工事:床面積500㎡以上
  • 建築物の修繕・模様替え等:請負代金1億円以上
  • 建築物以外の工作物:請負代金500万円以上

外壁の張り替えは「修繕・模様替え」に当たり、請負代金1億円以上という基準に届かないため、発注者による都道府県知事への届出(工事着手の7日前まで)は通常必要ありません。また、対象となる特定建設資材はコンクリート、アスファルト・コンクリート、木材の3種類で、窯業系サイディング自体はここに含まれません。

一方で、石綿の事前調査は請負金額100万円以上で報告義務が発生します。同じ「解体」でも、建設リサイクル法と石綿関連法令では基準がまったく違うという点を押さえておくと、業者の説明を正しく理解できます。

張り替えでしか直せないもの:透湿防水シート・胴縁・直張り工法

費用だけを見れば、重ね張りは張り替えより安く済むことが多い工法です。それでも張り替えが選ばれるのは、外壁の裏側にある「下地」は、既存材をはがさない限り手を入れられないからです。

外壁の防水は「サイディング」ではなく「透湿防水シート」が担っている

窯業系サイディングの外壁は、表面材だけで雨を止めているわけではありません。日本窯業外装材協会(NYG)は、標準工法である通気構法について「通気層と防水紙により雨水と湿気を排出する二重防水」であり、木造住宅の耐久性向上に不可欠と説明しています。

つまり、サイディングの継ぎ目から入った雨水は、その裏の透湿防水シートで受け止め、通気層から外へ逃がす仕組みです。この防水シートや通気層をつくる胴縁が傷んでいる場合、表面を塗り替えても、上から新しい材を重ねても、根本は変わりません。

街の外壁塗装やさんが示す施工手順を比べると、この違いは明確です。

  • 張り替え:足場仮設 → 既存サイディング撤去 → 下地補修(胴縁・透湿防水シート・断熱材) → 新規サイディング取付 → 足場撤去
  • 重ね張り:足場仮設 → 透湿防水シート敷設 → 胴縁設置 → 新規サイディング取付 → 足場撤去

重ね張りでも新しい防水シートと胴縁を入れますが、それは既存の外壁の「上」です。既存の防水シートや柱・間柱が濡れて傷んでいても、その状態のまま塞ぐことになります。雨漏りの疑いがある家で重ね張りを選ぶと、原因が壁の中に閉じ込められる可能性があります。すでに雨漏りの形跡がある場合は、まず原因を特定してから工法を決める順序が大切です。

1990年代の「直張り工法」の家は、そもそも塗装が向かない

もう一つ、築年数から推測できる重要な論点があります。通気層のない「直張り(直貼り)工法」です。

テイガク屋根修理は、1990年代は北海道を除き直張り工法が全国的に標準だったこと、2000年代以降に通気構法が新たな標準になったことを解説しています。同社は直張りの問題として「外壁の裏側で結露が生じ、結露水がカビや木材を腐らせる原因をつくってしまいます」と指摘し、透湿性をうたう塗料でも壁の内側で起きる結露そのものは解決できないとしています。

言い換えると、築25〜35年ほどの家では「塗装で延命する」という選択肢が最初から成立しない可能性があるということです。この場合、現実的な選択肢は通気層を確保する重ね張りか、下地から直す張り替えの二択になります。

自宅がどちらの工法かは、外壁と土台水切りの取り合い部分や、サイディングの裏側を確認できる場所で判断します。素人が足場なしで確かめるのは危険なので、点検時に業者へ「通気構法か直張りか」を必ず質問し、写真で示してもらってください。

張り替えを検討すべきタイミングと劣化サイン

張り替えの検討時期は、築25〜30年前後が一つの目安です。SUUMOリフォームタイムズは重ね張り・張り替えの検討時期を築25〜30年前後、塗装時期を築10〜15年ごと、コーキング打ち直しを10〜15年以内としています。外壁塗装の窓口はサイディングの寿命を20〜40年程度としています。

シーリング(コーキング)については、メーカー側の見解も参考になります。ニチハは高耐久シーリング材について「外壁材本体どうしの継ぎ目」のシーリングは15年から20年経過した時点での打ち替え工事を勧めると案内しています。使われているシーリング材の種類によって適切な時期は変わるため、打ち替え費用の目安はコーキング打ち替えの費用で確認してください。

年数以上に重要なのが、実際の劣化サインです。次のような状態が見られる場合は、塗装ではなく張り替え・重ね張りの検討段階に入っている可能性があります。

  • サイディングが波打つように反っている、浮いて浮き上がっている
  • 板が割れている、欠けている、釘穴の周りが割れている
  • 手で触ると白い粉が付く状態(チョーキング)を長年放置している
  • シーリングが切れて隙間ができ、下地の黒い防水シートが見えている
  • 室内側の壁紙にシミやカビが出ている、サッシ周りから水が入る
  • 外壁を叩くと、一部だけ音が違う(下地が浮いている・腐っている可能性)

日本窯業外装材協会(NYG)も「サイディング表面の塗装及び接合部のシーリング材は永久的なものではありません」として定期点検の重要性を示しています。あわせて、高所作業を伴う点検や補修は自分で行わないよう注意喚起されています。屋根に上ったり脚立で外壁上部を確認したりするのは避けてください。

張り替え費用で損をしないための進め方

張り替えは金額が大きく、工事後に外から確認できない部分(下地)が多い工事です。だからこそ、契約前の確認が費用対効果を左右します。

見積書は「面積」と「単価」に分かれているかを見る

「外壁工事一式 200万円」という書き方の見積書では、何にいくらかかっているのか検証できません。国土交通大臣指定の住宅リフォーム紛争処理支援センターが運営する住まいるダイヤルは、見積書のセルフチェック方法を公開しています。契約前に一度目を通しておくと、確認すべき項目が整理できます。

最低限、次の項目が数量と単価で書かれているかを確認してください。

  • 仮設足場(架面積と㎡単価)
  • 既存外壁の撤去、廃材の運搬・処分(それぞれの数量と単価)
  • 石綿(アスベスト)事前調査費、分析費の有無
  • 透湿防水シート、胴縁(製品名と数量)
  • サイディング材(メーカー・品番・厚さ)
  • シーリング(材料の種類と総延長m)
  • 下地補修が発生した場合の追加費用の考え方

特に最後の「下地補修が発生した場合」は重要です。壁をはがすまで傷み具合は分かりません。追加費用が出る条件と単価を、着工前に書面で確認しておくとトラブルを避けやすくなります。比較のしかたは外壁塗装の相見積もりのマナーで解説しています。

500万円以上の工事には建設業許可が必要

国土交通省によれば、建設業の許可が不要な「軽微な建設工事」は、建築一式工事以外では請負代金500万円未満(消費税および地方消費税を含む)と定められています。建築一式工事の場合は1,500万円未満、または木造住宅で延べ面積150㎡未満です。

戸建ての外壁張り替えは150万〜300万円が中心帯なので、多くのケースでは許可がなくても法律上は請け負えます。ただし、大きな家や屋根工事との同時施工で総額が500万円(税込)を超える場合は、許可の有無が確認ポイントになります。業者の選び方は外壁塗装の業者の選び方もご覧ください。

リフォーム瑕疵保険と、訪問販売への備え

工事後の不具合に備える仕組みとして、国土交通省が案内するリフォーム瑕疵保険があります。保険法人に登録した事業者が加入でき、工事中と工事完了時に第三者の建築士による検査が入る点が特徴です。加入は任意なので、対応可能かを業者に確認してみてください。

また、外壁工事は訪問販売の被害が起きやすい分野です。国民生活センターのPIO-NETデータでは、点検商法に関する相談件数が2023年度の12,550件から2025年度は19,696件に増えています(2026年5月31日時点の集計で、数値は未確定)。

訪問販売で契約した場合は、消費者庁 特定商取引法ガイドのとおり、法定書面を受け取った日から数えて8日間はクーリング・オフができます。「今日契約すれば足場代が無料」といった急かす提案は、その場で判断せず、他社の見積もりと比べる時間を確保してください。

よくある質問

Q. サイディングの張り替えと重ね張り、どちらを選べばよいですか

下地(透湿防水シート・胴縁・柱)の傷みが疑われるかどうかが分かれ目です。雨漏りの形跡がある、室内にシミやカビが出ている、外壁を叩くと音が違う箇所があるといった場合は、下地を確認・補修できる張り替えが選択肢になります。逆に、下地が健全で表面材の劣化が中心なら、解体・処分費が不要な重ね張りのほうが費用を抑えやすくなります。既存外壁の重さが気になる場合は、窯業系(16mm厚で約17.5kg/㎡)より軽い金属系(ガルバリウム鋼板で約3.6〜4kg/㎡)を重ねる方法もあります。

Q. 部分的な張り替えだけでも対応してもらえますか

部分張り替え自体は可能ですが、2つの注意点があります。1つは、廃番などで同じ柄のサイディングが手に入らず、色柄が揃わない可能性があること。もう1つは、足場を組む必要がある高さでは、面積が小さくても足場代(延床30坪で約10万〜25万円が目安)がまるごとかかることです。全面工事に比べて割高になりやすいため、他の工事とまとめて行うか、全面工事の見積もりも取って比較することをおすすめします。

Q. アスベストが含まれていたら、費用はどれくらい上がりますか

国が公表する全国一律の目安は、今回の調査では確認できませんでした。民間の施工事業者であるアスベスト除去ナビは、石綿含有の外壁サイディング撤去を4,000〜10,000円/㎡(税抜)、事前調査・分析費を3万〜15万円としています。石綿を含まない場合の撤去・処分が1,000〜2,500円/㎡であることを踏まえると、数十万円単位の上乗せになる可能性があります。実際の金額は建物や地域で変わるため、必ず見積もりで確認してください。なお、事前調査自体は工事の規模にかかわらず実施が必要です。

Q. 張り替えれば、もうメンテナンスは不要になりますか

不要にはなりません。窯業系サイディングを選んだ場合、表面の塗装とシーリングは経年で劣化します。SUUMOリフォームタイムズは塗装時期を築10〜15年ごと、ニチハは高耐久シーリング材で15〜20年経過時点での打ち替えを勧めています。張り替え後も、10〜15年ごとの点検と、必要に応じた塗り替え・シーリング打ち替えを見込んでおくのが現実的です。

Q. 工事中は家に住み続けられますか。工期はどれくらいですか

基本的には住みながらの工事が可能ですが、塗装より影響は大きくなります。工期はリショップナビで張り替え10〜25日、街の外壁塗装やさんの施工事例では約20日〜1か月というケースが紹介されています。既存外壁をはがす工程では騒音と粉じんが出るため、窓を開けられない日が続きます。近隣への事前の挨拶と、工程表の共有を業者に依頼しておくと安心です。

まとめ

サイディングの張り替え費用について、確認できた事実を整理します。

  • 延床30坪(施工面積約119㎡)の張り替えは150万〜300万円が中心帯。㎡単価は7,000〜15,000円が目安です。
  • 塗装との差額の大部分は、既存外壁の撤去(1,000〜1,500円/㎡)と廃材処分(500〜1,000円/㎡)、下地のつくり直しです。
  • 30年のライフサイクルで見ると、塗装を2〜3回繰り返す総額と張り替えの総額は近づきます。初期費用だけで比較しないことが大切です。
  • 石綿含有窯業系サイディングは1960〜2004年に製造されていました。事前調査は工事の規模を問わず必要で、請負代金100万円以上(税込)の改修工事は行政への報告義務があります。
  • 透湿防水シートや胴縁、直張り工法の問題は、既存外壁をはがす張り替えでなければ直せません。1990年代築の家では特に確認が必要です。
  • 見積書は「一式」ではなく数量と単価で出してもらい、下地補修が発生したときの追加費用の考え方まで書面で確認しておくと安心です。

相場の幅が広いのは、建物の状態と選ぶ外壁材によって適正額が変わるからです。金額だけを比べるのではなく、「どの範囲まで直す見積もりなのか」を揃えて比較すると、納得できる判断につながります。

見積もりを取るときに使えるサービス

ここから先は広告を含みます。自分で業者を探す時間が取れない場合は、一括見積もりサービスを使う方法もあります。ただしこれらのサービスは加盟店からの掲載料で運営されているため、紹介されるのは「その仕組みに参加している会社」に限られます。地元の優良な塗装店が含まれていないこともあるため、あくまで候補を集める手段の一つとして使ってください。この記事で挙げたチェック項目は、サービス経由で集めた見積書にもそのまま使えます。

[PR]ヌリカエ

外壁塗装・屋根塗装の優良業者を紹介。適正価格の確認に使えます。

ヌリカエ

相談・見積もりは無料です。申し込み前に一括見積もりの仕組みと注意点もご確認ください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

リフォーム編集部のアバター リフォーム編集部 株式会社スゴヨク|編集部

「リフォーム」編集部です。運営は株式会社スゴヨク(福岡市中央区/Webサイト制作・Webマーケティング)。外壁塗装・屋根工事・外構リフォームの費用や業者選びを、国土交通省・国民生活センター・住宅リフォーム推進協議会などの一次情報にあたって解説しています。金額や制度には必ず出典を明記し、確認できなかったことは「未確認」と書く方針です。当サイトは施工を行っておらず、特定の業者への送客を目的としない立場で編集しています。

目次