外壁塗装の業者の選び方|公的データで裏を取る3つの手順と資格の見方

外壁塗装の業者選びを公的データで確認する方法を解説する記事のアイキャッチ画像

【PR】この記事には広告(アフィリエイトリンク)が含まれます。リンク経由でお申し込みがあった場合、当サイトは提携先から報酬を受け取ることがあります。報酬の有無によって記事内の評価を変えることはありません。詳細は広告掲載ポリシーをご覧ください。

外壁塗装の業者選びで最も確実な方法は、業者の自己申告を信じるのではなく、国が公開しているデータベースで裏を取ることです。建設業許可、リフォーム事業者団体への加盟、瑕疵保険の登録事業者──この3つはいずれも無料の公的サイトで誰でも検索できます。この記事では、その具体的な確認手順に加えて、広く出回っている「建設業許可がない業者は悪徳」という誤解を、国土交通省の一次情報をもとに正します。あわせて、いま実際に増えている手口が「訪問販売」ではなく「無料点検」であることを、公的統計の数字で示します。

目次

結論:業者選びは「3つの公的サイトで裏取り」から始める

チェックリストを暗記する必要はありません。次の3つを検索するだけで、その業者の自己申告が事実かどうかが分かります。

確認したいこと使うサイト分かること
建設業許可の有無・許可年月日国土交通省「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」許可番号、商号、代表者氏名、所在地、許可を受けた建設業の種類、許可の有効期限
業界団体への加盟国土交通省「住宅リフォーム事業者団体登録制度」の登録団体一覧契約書面の交付・瑕疵保険加入・相談窓口設置・研修実施が義務づけられた団体の構成員か
リフォーム瑕疵保険を使えるか住宅瑕疵担保責任保険協会の事業者検索第三者検査つきの保険を付けられる登録事業者か

多くの記事は「資格を確認しましょう」で止まっています。確認する手段まで手元にあるかどうかが、業者選びの精度を分けます。

「建設業許可がない業者=悪徳」は誤りです

先に、広く誤解されている点を正しておきます。国土交通省は、建設業許可が不要な「軽微な建設工事」の基準を次のように定めています。

  • 建築一式工事以外の工事(=塗装工事業を含む)……工事1件の請負代金が500万円未満なら許可不要
  • 建築一式工事……1,500万円未満、または延べ面積150㎡未満の木造住宅工事なら許可不要
  • 上記の金額には消費税および地方消費税を含む(=税込判定)

(出典:国土交通省「建設業の許可とは」

一般的な戸建ての外壁塗装は税込100万〜200万円程度ですから、500万円未満に収まり、建設業許可がなくても適法に施工できます。腕のいい地元の塗装店が許可を取っていないケースは珍しくありません。

では、許可の有無は何の目安になるのか

建設業許可は「500万円以上の工事を請け負える体制があるか」を行政が審査して与えるものです。実務経験や財産的基礎の審査を通過している証になります。さらに許可の有効期間は5年で、5年ごとに更新しなければ失効します(同・国土交通省)。

ここに実務的な使い道があります。検索システムには許可年月日が表示されるため、「創業30年」といった自己申告を第三者データで検証できます。許可を持っている業者に対しては、この裏取りが有効です。

依頼先による費用と責任の違い

外壁塗装の依頼先は大きく5つに分かれます。専門店以外は下請けに発注する構造のため、中間マージンが上乗せされやすい点が費用差の主因です。

依頼先施工体制費用の傾向向いているケース
ハウスメーカー下請けに発注高くなりやすい新築時の保証を継続したい
大手リフォーム会社下請けに発注やや高い複数箇所をまとめて依頼したい
ホームセンター・家電量販店下請けに発注やや高い買い物のついでに相談したい
地元の塗装専門店自社施工が中心マージンが乗りにくい費用を抑えたい・施工品質を重視したい
訪問販売業者下請けに発注が多い不透明—(後述の理由から慎重な確認が必要)

中間マージンの水準について、外壁塗装コンシェルジュは「適正費用から10〜30%も高くなることがある」、ハウジングバザールは「約30%以上」としています(出典:外壁塗装コンシェルジュハウジングバザール)。

ただし正直にお伝えすると、この10〜30%という数字に公的な統計の裏づけは見つかりませんでした。いずれも塗装業界のメディアが示す目安であり、立場上、自社施工を推す方向にバイアスがかかりうる情報源です。「マージンが乗る構造がある」という事実は確かですが、率そのものは目安として扱ってください。費用の内訳の読み方は外壁塗装の費用内訳で詳しく解説しています。

資格の見方──国家資格と民間資格を区別する

外壁塗装の世界には資格が乱立していますが、法的な位置づけは大きく2つに分かれます。

塗装技能士(国家資格)

技能検定は職業能力開発促進法にもとづく国家検定制度で、働く人の技能を国として証明するものです。中央職業能力開発協会が試験問題を作成し、各都道府県および都道府県職業能力開発協会が実施します。合格者には、特級・1級・単一等級は厚生労働大臣名、2級・3級は都道府県知事名の合格証書が交付され、「技能士」を名乗ることができます(出典:中央職業能力開発協会)。

受検資格は、実務経験のみで受ける場合1級は7年以上、2級は2年以上が必要です。つまり一級塗装技能士がいる会社は、少なくとも7年以上の実務経験を持つ職人が在籍していることになります。

雨漏り診断士・外装劣化診断士(民間資格)

雨漏り診断士はNPO法人 雨漏り診断士協会、外装劣化診断士は一般社団法人 住宅保全推進協会が認定する民間資格です。外装劣化診断士の試験科目には「建物の構造/建築材料/屋根・外壁の劣化状態/雨漏り・漏水のリスク/診断の実務/関連法規」が含まれます(出典:住宅保全推進協会)。

民間資格が悪いという意味ではありません。「国が能力を証明したもの」ではなく「その団体が認定したもの」だという違いを踏まえたうえで、認定団体名まで確認するのが正しい向き合い方です。聞き慣れない資格を提示されたら、認定団体の実在をその場で検索してみてください。

警戒すべきは「訪問販売」より「無料点検」──統計が示す手口の変化

業者選びの記事の多くは「訪問販売に注意」で終わっています。しかし国民生活センターのPIO-NETデータを見ると、相談の中心はすでに移動しています。

年度訪問販売によるリフォーム工事点検商法
2023年度11,879件12,550件
2024年度9,839件19,249件
2025年度5,544件19,696件
出典:国民生活センター「訪問販売によるリフォーム工事・点検商法」。2026年5月31日までのPIO-NET登録データにもとづく集計で、統計は未確定。登録にはタイムラグがあるため直近年度は過少に出る傾向があります。

訪問販売によるリフォーム相談が減る一方で、点検商法は2023年度から2025年度で約1.57倍に増えています(出典:国民生活センター)。「売りに来る」のではなく「無料で点検します」と入ってくる形に変わったということです。

屋根の無料点検から外壁塗装へ広がる

国民生活センターは2023年10月、「屋根工事の点検商法のトラブルが増えています」という報道発表を行っています。同資料によれば、屋根工事の点検商法の平均契約購入金額は約132万円。契約当事者は70歳代32%、80歳代24%、60歳代21%と60歳以上が8割超を占めます。事例には「外壁にもひびが入っている」と次々に別工事を勧誘する手口が挙げられています(出典:国民生活センター 報道発表資料)。

ご高齢の親御さんが離れて暮らしている場合は、この構図を共有しておくだけでも防御になります。断り方の具体例は外壁塗装の訪問販売の断り方、手口の詳細は悪徳業者の見分け方で扱っています。

契約してしまった場合のクーリング・オフ

訪問販売にあたる契約であれば、法律で決められた書面を受け取った日から数えて8日以内なら、書面または電磁的記録により申込みの撤回・契約の解除ができます。起算日は「契約日」ではなく「法定書面を受け取った日」である点が重要です。また、消費者が契約の意思がないことを示した場合、その場での勧誘継続も、その後の再勧誘も禁止されています(出典:消費者庁 特定商取引法ガイド)。

保証は3種類ある。倒産したときに残るのはどれか

「10年保証」と言われても、その保証が誰によるものかで意味がまったく変わります。

種類保証する主体対象業者が倒産したら
自社保証施工した塗装業者施工不備による不具合無効になる
メーカー保証塗料メーカー塗料そのものの品質の不具合(施工ミスは対象外)塗料メーカーが存続していれば有効
リフォーム瑕疵保険国交大臣指定の保険法人工事の瑕疵(第三者検査つき)発注者が保険法人へ直接請求できる

リフォーム瑕疵保険は「リフォーム時の検査と保証がセットになった保険制度」で、加入するのはリフォーム事業者です。保険法人への事業者登録が必要で、施工中または工事完了後に第三者検査員(建築士)が現場検査を行います(出典:国土交通省)。

保険法人の一つであるJIO(日本住宅保証検査機構)の商品では、構造耐力上主要な部分・雨水の浸入を防止する部分が5年間、その他の部分が1年間。支払限度額は100万〜1,000万円から工事金額に応じて選択します。事業者の倒産・廃業等で瑕疵担保責任が履行されない場合は、発注者からJIOへ直接保険金を請求でき、この場合は縮小てん補割合なしで100%補償されると説明されています(出典:JIO)。保険期間や金額は保険法人ごとに商品差があるため、実際の条件は契約時に確認してください。

つまり、「自社保証10年」より「瑕疵保険つき5年」のほうが、会社が消えたときには強いということです。長い年数を提示されたときこそ、その根拠を確認してください。

相見積もりは何社が正解か──「3社」に公的根拠はない

相見積もりは3社、というのが業界の通説です。リショップナビ外壁塗装、くらしのマーケット、ハウジングバザールなど、複数のメディアが「3社程度」を推奨しています。

ただし調べたかぎり、「3社が適切」とする公的資料は見つかりませんでした。国民生活センターは社数を指定せず「契約前に複数の業者から見積もりを取る」とだけアドバイスしています。住まいるダイヤルも複数見積の取得と比較表の作成を勧めていますが、社数の指定はありません。

そこで、社数よりも比較の粒度に軸を移すことをおすすめします。次の4点が揃っていない見積書は、何社集めても比較になりません。

  • 塗料のメーカー名と商品名(「シリコン塗料」だけでは不可)
  • 下塗り・中塗り・上塗りの3回塗りが行ごとに分けて記載されているか
  • 塗装面積(㎡)とシーリング延長(m)の数量が入っているか
  • シーリングが打ち替えか増し打ちか明記されているか

この4点が揃っていれば2社でも比較できますし、揃っていなければ5社集めても総額を並べるだけの作業になります。見積もりの取り方は外壁塗装の相見積もりのマナー、比較の観点はリフォーム見積もり比較のポイントもあわせてご覧ください。屋根工事の業者選びは屋根修理の業者の選び方で扱っています。

よくある質問

Q. 建設業許可がない地元の塗装店に頼んで大丈夫ですか?

A. 税込500万円未満の工事であれば、許可がなくても適法です。許可の有無だけで判断せず、一級塗装技能士の在籍、瑕疵保険を使えるか、見積書に単価×数量が入っているか、といった複数の材料で判断してください。

Q. 「近所で工事をしているので足場代がサービスできます」と言われました

A. 足場は労働安全衛生規則で仕様が定められた設備で、高さ5m以上の組立・解体には作業主任者の選任も必要です。コストが消えることはないため、他の項目に乗せ替えられていないか、単価×数量で確認してください。

Q. 無料点検を受けた後、その場で契約を迫られたら?

A. その場で契約する必要はありません。契約の意思がないと伝えれば、その場での勧誘継続も再勧誘も特定商取引法で禁止されています。仮に契約してしまっても、訪問販売に該当すれば法定書面の受領日から8日以内はクーリング・オフができます。

Q. 大手に頼めば安心なのでは?

A. 窓口対応や保証体制の面では利点があります。一方で実際に施工するのは下請けの塗装店であることが多く、中間マージンの分だけ費用は上がりやすくなります。「誰が塗るのか」を確認したうえで、価格と安心のどちらを優先するか決めてください。

Q. 業者とトラブルになったらどこに相談すればいいですか?

A. 国土交通大臣指定の相談窓口である住まいるダイヤル(住宅リフォーム・紛争処理支援センター)では、建築士の資格を持つ相談員が対応します。同センターの2024年度の新規相談は30,812件で、うちリフォーム関連が11,920件(約38.7%)を占めます(出典:住宅リフォーム・紛争処理支援センター)。消費生活センター(消費者ホットライン188)も利用できます。

まとめ:自己申告を、公的データで裏取りする

  • 建設業許可・団体加盟・瑕疵保険登録は、いずれも公的サイトで無料検索できる
  • 塗装工事は税込500万円未満なら許可不要。「許可がない=悪徳」は誤り
  • 許可があるなら、許可年月日で「創業◯年」の自己申告を検証できる
  • 塗装技能士は国家資格、雨漏り診断士・外装劣化診断士は民間資格。区別して見る
  • いま増えているのは訪問販売ではなく点検商法。60歳以上が被害の8割超
  • 保証は倒産時に残るかで比較する。瑕疵保険は発注者が直接請求できる
  • 相見積もりは社数より粒度。塗料の商品名・3回塗り・数量・シーリング工法の4点を揃える

本記事の制度・統計は執筆時点で確認できた一次情報にもとづいています。制度は改正されることがあるため、契約前には各公式サイトで最新の内容をご確認ください。

見積もりを取るときに使えるサービス

ここから先は広告を含みます。自分で業者を探す時間が取れない場合は、一括見積もりサービスを使う方法もあります。ただしこれらのサービスは加盟店からの掲載料で運営されているため、紹介されるのは「その仕組みに参加している会社」に限られます。地元の優良な塗装店が含まれていないこともあるため、あくまで候補を集める手段の一つとして使ってください。この記事で挙げたチェック項目は、サービス経由で集めた見積書にもそのまま使えます。

[PR]外壁塗装の窓口

加盟店数は業界最大級。最大4社の見積もりを無料で比較できます。

外壁塗装の窓口

相談・見積もりは無料です。申し込み前に一括見積もりの仕組みと注意点もご確認ください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

リフォーム編集部のアバター リフォーム編集部 株式会社スゴヨク|編集部

「リフォーム」編集部です。運営は株式会社スゴヨク(福岡市中央区/Webサイト制作・Webマーケティング)。外壁塗装・屋根工事・外構リフォームの費用や業者選びを、国土交通省・国民生活センター・住宅リフォーム推進協議会などの一次情報にあたって解説しています。金額や制度には必ず出典を明記し、確認できなかったことは「未確認」と書く方針です。当サイトは施工を行っておらず、特定の業者への送客を目的としない立場で編集しています。

目次