外壁塗装の見積もり相場|見積書の正しい見方とチェックリスト

外壁塗装の見積もり相場と見積書の見方を解説する記事のアイキャッチ画像

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手元の見積書が適正かどうかは、総額を相場と見比べても判断できません。見積書は「数量が入っているか → 単価が妥当か → 合計が合うか」の順に見るのが正解です。数量欄が空欄や「一式」ばかりの見積書は、金額の高い安い以前に比較の土俵に乗っていません。この記事では、国土交通大臣指定の住まいるダイヤルが公開する見積書セルフチェックを軸に、書類としての読み方とチェックリストを整理します。金額そのものの目安は外壁塗装の費用内訳もあわせてご覧ください。

目次

見積書は「数量→単価→合計」の順に見る

結論として、見積書を受け取ったらまず数量欄を見てください。総額や値引き額から見始めると、その金額が何に対する対価なのか分からないまま「高い・安い」の印象だけが残ってしまいます。数量が入っていない見積書は、後から金額を動かす余地を残した書類です。

理由は単純で、工事費は「数量 × 単価」で積み上がるからです。数量が書かれていなければ、単価が高いのか、数量を多く見ているのか、あるいは両方なのかを切り分けられません。逆に数量さえ書いてあれば、単価は後からいくらでも調べ直せます。順番を間違えないことが、素人が業者と同じ土俵に立つための最短ルートです。

ステップ1:数量欄がすべて埋まっているか

外壁塗装の見積書で数量が入るべき代表的な項目は、足場(㎡)、高圧洗浄(㎡)、養生(㎡)、下塗り・中塗り・上塗り(それぞれ㎡)、シーリング打ち替え・増し打ち(m)、付帯部塗装(m または 箇所)です。ここが空欄、あるいは全項目が「1式」で埋まっている見積書は、この時点で不合格と判断して構いません。

数量の妥当性は、ある程度は自分で検算できます。延床30坪の一般的な2階建てなら、塗装面積は「延床坪数 × 3.3 × 1.2」でおよそ119㎡が目安です。見積書の塗装面積がこれと極端に離れている場合は、根拠を質問してください。住まいるダイヤルも「すべて100㎡など同じ数字が書かれた見積書も散見される」として、面積計算が適切かどうかの確認を求めています(住まいるダイヤル ポイント3)。

ステップ2:単価が「工事の内容」と結びついているか

次に単価を見ます。ここで重要なのは、単価そのものの高低より「その単価が何の仕様に対する金額か」が読み取れるかどうかです。塗料であればメーカー名と商品名、シーリングであれば材料の種類と打ち替え・増し打ちの別、足場であればメッシュシートが含まれるかどうか。仕様が特定できて初めて、他社の単価と比較する意味が生まれます。

ステップ3:合計と諸経費の位置を確認する

最後に合計です。各項目の小計を足して合計と一致するか、電卓で確かめてください。単純な計算ミスは実際に起こります。あわせて、諸経費が「工事金額の何%」として計上されているか、定額なのかも見ます。諸経費は「現場管理費のみで5%前後」とする業者と「一般管理費まで含めて30%前後」とする業者があり、定義が違えば率だけを比べても意味がありません。

順番見る場所合格の状態危険信号
1数量欄㎡・m・箇所など単位付きの実数が全項目に入っている空欄、または全項目が「1式」
2仕様欄・摘要欄塗料のメーカー名と商品名、工程数(下塗り/中塗り/上塗り)が書いてある「シリコン塗料」「高級塗料」など種類だけ
3単価欄項目ごとに単価があり、数量×単価=小計が合う単価が空欄で金額だけ入っている
4合計・諸経費小計の合計と総額が一致し、諸経費の算出根拠がわかる計算が合わない、諸経費が総額の3割超で説明なし
5書類の基本情報見積日・有効期限・工事予定期間・会社名・住所・電話番号がある日付や有効期限がない
出典:住まいるダイヤル「リフォーム見積書セルフチェックのポイント」をもとに外壁塗装向けに編集部が整理

住まいるダイヤルの見積書セルフチェックを外壁塗装に当てはめる

見積書の読み方には、公的な機関が示した拠り所があります。国土交通大臣が指定する住まいるダイヤル(公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター)が公開している「リフォーム見積書セルフチェックのポイント」がそれです。全7ポイントで構成されており、外壁塗装にもそのまま応用できます。

民間の塗装会社が自社サイトで発信するチェックリストは、どうしても自社の見積書が合格になるように組み立てられがちです。その点、施工を行わない中立の機関が示す基準は、業者を選ぶ側の物差しとして使えます。

ポイント原文の趣旨外壁塗装での具体的な確認動作
1. 複数の見積書を取って比較相見積りは2〜3社がよい。多すぎると比較が煩雑になり選択が困難になる3社まで。同じ図面・同じ要望・同じ塗料グレードで依頼する
2. 自分の望むリフォームの再確認本当に必要な工事か、要望どおりの内容かを見積書で確認する頼んでいない屋根工事や不要なオプションが混ざっていないか確認
3. 工事箇所・数量・仕様・単価の確認図面と見積書を照合。見積日・有効期間・工事予定期間・請負人の記載漏れも確認塗装面積・シーリング総延長・足場面積を自分で概算して照合
4. こんな見積書には注意問題の多い見積書の事例を示し、契約前の確認を促す数量が「一式」だらけ、工程が1行に集約された見積書を除外
5. 見積書から事業者が見えてくる細かな部品まで正確な名称で記載されているかで技術力がわかる雨樋・破風板・軒天など付帯部が個別に書き分けられているか
6. 安心な契約のためにさらに確認工事範囲、追加工事の対処と負担限度額、廃材処理費を事前に協議し文書化下地補修が想定を超えた場合の単価と上限を書面で確認
7. 金額は契約後には変えられない契約書に添付された見積書は契約内容の一つ。仕様未決定のままの契約は好ましくない塗料の商品名と色番号を決めてから契約する
出典:住まいるダイヤル「リフォーム見積書セルフチェックのポイント」(要旨は編集部が要約、右欄は編集部による外壁塗装への当てはめ)

とくに実務で効いてくるのがポイント7です。同センターは「契約書に添付された見積書(正確には『工事費内訳書』)は契約内容の一つとされ、工事費やその内訳についても、お互いに合意がなされていると見なされる」としています。つまり、契約後に「高い気がするので値引きしてほしい」と言っても通りません。見積書を読む作業は、契約の直前にしか意味を持たないのです。

良い見積書と危険な見積書 ― 書かれ方をそのまま並べて比べる

同じ工事でも、書類としての完成度は業者によってまったく違います。ここでは、延床30坪・塗装面積約119㎡の住宅に対して、同じ内容の工事を2社が書いた場合の違いを並べます。金額の多寡ではなく、項目名・単位・数量の「書かれ方」の差に注目してください。

工程良い見積書の書き方危険な見積書の書き方差が生む問題
足場くさび式足場(メッシュシート共) 168㎡ × 850円足場工事 一式 150,000円シート込みか別かが不明。追加請求の余地が残る
高圧洗浄外壁高圧洗浄 119㎡ × 250円洗浄 一式 30,000円屋根や付帯部を洗うのかどうかが不明
養生養生(マスカー・ノンスリップシート) 110㎡ × 300円(項目なし)項目自体がなく、後から別途請求される恐れ
下地補修シーリング打ち替え 180m × 1,100円/増し打ち 20m × 800円コーキング 一式 100,000円打ち替えか増し打ちかで工事内容も耐久性も別物
外壁塗装下塗り(メーカー名・商品名)119㎡/中塗り 119㎡/上塗り 119㎡ を3行に分けて記載外壁塗装(シリコン3回塗り) 一式 400,000円実際に3回塗ったかを後から検証できない
付帯部雨樋 42m、破風板 38m、軒天 24㎡、水切り 30m を個別記載付帯部塗装 一式 60,000円どこを塗ってどこを塗らないかが確定しない
諸経費現場管理費 工事費の5%(内訳の説明あり)諸経費 一式 200,000円総額の何割かも根拠も読み取れない
数量・単価は編集部が設定した記入例です。実際の金額は建物形状・地域・仕様で変わります

単位の書き分けが業者の力量を映す

単位は、その業者が現場をどれだけ具体的に想定しているかの表れです。面で塗る場所は㎡、長さで拾う場所はm、数えられるものは箇所や台。この使い分けが崩れている見積書は、現地調査が形だけだった可能性があります。住まいるダイヤルもポイント5で、見積書は「工事の詳細な部分まで頭に入っていないと作成できない」ものであり、細かな部品まで正確な名称で記載されているかで技術力が判断できると指摘しています。

  • ㎡(平方メートル)……外壁・屋根・軒天・養生・高圧洗浄・足場
  • m(メートル)……シーリング、雨樋、破風板、鼻隠し、水切り
  • 箇所・台……庇、換気フード、雨戸、シャッターボックス、メーターボックス
  • 式……本来は数えようのない管理系の費用に限って使う単位

書類として必ず入っているべき欄

工事の中身以前に、書類として欠けてはいけない欄があります。住まいるダイヤルは「見積日」「有効期間」「工事予定期間」「請負人」の記載漏れをチェックするよう求めています。あわせて会社名・所在地・電話番号・代表者名も確認してください。塗装工事は請負代金が税込500万円未満であれば建設業許可がなくても請け負えるため(国土交通省「建設業の許可」)、許可番号の有無だけで良し悪しは決まりません。ただし許可番号が書かれていれば、行政のデータベースで実在を確認できるという利点はあります。業者そのものの見極め方は外壁塗装の業者の選び方で詳しく扱っています。

「一式」が危険な項目と、許容される項目

「一式」はすべてが悪いわけではありません。危険なのは、面積や長さで拾えるはずの項目に一式が使われている場合です。住まいるダイヤルも「見積書の数量が『一式』と示されていた場合は、改めて内容の確認が必要」とし、できる限り具体的な数量と単価の明示を求めるよう促しています。とくに現場調査がないまま出された一式見積もりは、後から追加費用を請求される恐れがあると明記されています。

逆に、実際に数量で拾いようがない費用まで無理に数字を付けさせても意味はありません。判断基準は「その項目を㎡・m・箇所のいずれかで数えられるか」です。数えられるのに一式なら要説明、数えられないなら一式でも許容、と切り分けてください。

区分項目の例本来あるべき書き方判断
危険外壁塗装工事、屋根塗装工事下塗り・中塗り・上塗りを㎡で3行に分ける塗り回数を検証できないため要説明
危険足場、高圧洗浄、養生いずれも㎡で数量を記載面積で拾える工程。一式は不可
危険コーキング(シーリング)打ち替えと増し打ちを分け、mで記載工法の違いが金額に直結する
危険下地補修、クラック補修数量が読めないなら「想定m数+超過時の単価」を併記金額の上限が決まらないため要協議
条件付きで許容付帯部塗装雨樋・破風・軒天などを個別に。まとめるなら対象箇所を摘要欄に列挙対象が特定できていれば可
許容仮設・機材運搬費一式で可。ただし金額の目安は聞く数量で拾う性質の費用ではない
許容廃材処分費、産廃処理費一式で可発生量が事前に確定しない
許容現場管理費・諸経費一式または「工事費の◯%」算出方法が説明できれば可
出典:住まいるダイヤル ポイント3の考え方をもとに編集部が外壁塗装向けに分類

なお、危険側に分類した項目に一式が使われていても、質問して数量と単価がすぐ出てくるなら大きな問題にはなりません。問題は「聞いても出てこない」場合です。その業者は最初から積算していないか、意図的に伏せていることになります。足場の数量については外壁塗装の足場代の相場でも触れています。

塗料の商品名から㎡あたりの材料費を自分で調べる方法

ここがこの記事で最もお伝えしたい部分です。見積書に塗料のメーカー名と商品名が書かれていれば、その塗料の材料費は誰でもメーカーサイトで検算できます。「シリコン塗料」「高耐久塗料」といった種類名しか書かれていない見積書は、この検算ができない時点で情報として不完全です。

塗料メーカーは製品ページに「標準塗坪」または「標準所要量」を公開しています。これは1缶で何㎡塗れるかを示す数値です。たとえばエスケー化研の「エスケープレミアムシリコン」は、製品ページに標準塗坪「43〜68m2/15kg缶、11〜18m2/4kg缶」、荷姿「15kg石油缶、4kg缶」と明記されています(エスケー化研 製品情報)。

材料費の概算は「缶価格 ÷ 標準塗坪」で出る

缶の実勢価格は塗料の通信販売サイトで確認できます。同製品の15kg缶は、ある通販サイトで税込18,700円で販売されていました(PaintBox 商品ページ、2026年8月時点)。これを標準塗坪で割ると、18,700円 ÷ 68㎡ = 約275円/㎡、18,700円 ÷ 43㎡ = 約435円/㎡ となり、上塗り材の材料費はおよそ275〜435円/㎡と見積もれます。

一方、シリコン系塗料の塗装単価(材料と手間を含む)は一般に2,000〜3,500円/㎡が目安とされます。単純比較すれば、材料費が占める割合はおよそ1〜2割という計算になります。残りは職人の手間賃、下塗り材、希釈やロス、道具、現場管理費などです。この比率を知っておくと、「塗料代がかかるので高いんです」という説明だけでは総額の根拠にならないことが分かります。

ただし、この検算はあくまで概算です。標準塗坪はメーカーが定めた標準的な条件での数値で、下地の吸い込み具合や塗装方法(吹付・ローラー・刷毛)によって実際の使用量は変わります。また標準塗坪は上塗り材だけの数値で、下塗り材は別に必要です。通販価格と業者の仕入れ価格も一致しません。あくまで「桁が合っているか」を見るための道具として使ってください。

手順やること見つからない場合
1見積書からメーカー名と商品名を書き出す記載がなければ業者に確認する。答えられない場合は要注意
2メーカー公式サイトの製品情報ページを検索する公式ページが存在しない商品名なら、業者の自社ブランド塗料の可能性
3「標準塗坪」「標準所要量」「荷姿」を確認する技術資料(PDF)に載っていることが多い
4塗料通販サイトで缶の価格を調べる複数サイトの価格に幅があるのが普通。幅のまま把握する
5缶価格 ÷ 標準塗坪 で材料費/㎡を出す2回塗り分の数値かどうかを製品ページで確認する
6見積書の塗装単価と比べ、材料費が1〜2割程度に収まるか見る大きく外れる場合は下塗り材の仕様や工程数を質問する
出典:エスケー化研 製品情報およびPaintBox掲載価格をもとに編集部作成

メーカー名が書かれていない場合の考え方

「当社オリジナル塗料」「特殊セラミック塗料」といった名称で、メーカーの製品ページが見つからない塗料もあります。これ自体がただちに悪いとは言えませんが、第三者が性能や価格を検証できないという事実は残ります。その場合は、製品の技術資料(データシート)の提示を求めてください。標準塗坪や希釈率が書かれた資料を出せない業者は、避けるのが無難です。塗料そのものの違いは塗料の種類と耐用年数一覧にまとめています。

単価の調べ方について、住まいるダイヤルは「定価がある材料はカタログやインターネットで調査可能」とし、参考資料として一般財団法人経済調査会が発行する『積算資料ポケット版 リフォーム編』を挙げています。同書は工務店や専門工事業者を対象に調査した価格を35工種に分類して掲載しているもので(積算資料ポケット版)、図書館で閲覧できる場合もあります。

出精値引き・大幅値引きをどう読むか

結論から言えば、値引き額そのものより「値引き前の金額に根拠があるか」を見てください。出精値引きとは本来、「受注案件の見積に際して、受注企業が自社の企業努力により、値引きを行うこと」を指す積算実務上の用語です(建築積算ソフト楽王「出精値引きとは?」)。端数調整や、継続的な取引を望む相手への配慮として、良識の範囲で使われるものです。

問題は、その「良識の範囲」を大きく超える値引きです。総額150万円の見積書に「出精値引き ▲50万円」と書かれていたとすると、値引き率は3分の1に達します。工事の内容が変わらないのに3分の1を引けるのなら、元の150万円は何だったのかという疑問が残ります。

  • 値引き率が総額の1割を超える場合は、元の各項目の単価を再度確認する
  • 「モニター価格」「今月の施工枠が空いた」「近所でまとめて工事するので」といった理由付きの値引きは、根拠を書面で残してもらう
  • 値引き後に工程や塗料グレードが下がっていないか、値引き前後の見積書を並べて確認する
  • 「今日契約すれば」という条件付きの値引きは、判断を急がせるための材料でもある

値引きが常に悪いわけではありません。端数を丸める数万円の調整や、屋根と外壁を同時に施工して足場代が一度で済むことによる減額には、はっきりした理由があります。外壁と屋根の同時施工のように、根拠を説明できる減額かどうかが分かれ目です。理由を説明できない値引きは、値引きではなく最初の金額の訂正だと考えるのが自然です。

訪問販売の見積書と、自分で呼んだ業者の見積書は別物として扱う

同じ「見積書」という名前でも、成り立ちが違います。自分で探して呼んだ業者の見積書は、こちらの要望が出発点です。一方、訪問販売の見積書は、業者側が指摘した不具合が出発点になっています。その不具合が本当に存在するのかを、見積書からは検証できません。ここが決定的な違いです。

国民生活センターの集計では、点検商法に関する相談は2023年度の12,550件から2025年度の19,696件へ増加しています(国民生活センター「訪問販売によるリフォーム工事・点検商法」)。この数値は2026年5月31日時点の集計であり、最新年度分は今後の登録で変動する未確定値である点に注意が必要です。

典型的な勧誘トークとして、同センターは「近所で工事をしているので点検させてほしい」「火災保険で補償される」「早く直さないと雨漏りする」「今申し込めば割引サービスが受けられる」を挙げています(国民生活センター 2023年10月11日公表資料)。いずれも、見積書を落ち着いて読む時間を奪う方向に働く言葉です。

比較項目自分で呼んだ業者訪問販売
工事のきっかけ自分の判断(築年数・前回塗装からの経過)業者の指摘(点検結果)
不具合の検証複数社に同じ箇所を見てもらえる指摘した業者しか現状を見ていないことが多い
比較のしやすさ同条件で相見積もりを組めるその場で契約を求められると比較できない
クーリング・オフ原則対象外(自ら請求して訪問させた場合など)法定書面の受領日から8日以内は書面・電磁的記録で解除可能
見積書で特に見る欄数量・仕様・工程上記に加え、事業者の氏名・住所・電話番号、クーリング・オフに関する記載
出典:消費者庁「特定商取引法ガイド 訪問販売」をもとに編集部作成

消費者庁は、訪問販売の事業者に対し、勧誘に先立って事業者の氏名(名称)・契約締結の勧誘が目的であること・販売する商品の種類を告げる義務を課しています。また契約の申込みを受けたとき、または契約を締結したときには、商品の種類、販売価格、代金の支払時期と方法、引渡し時期、クーリング・オフに関する事項、事業者の氏名・住所・電話番号などを記載した書面を渡さなければならないとされています。さらに、消費者が契約締結の意思がないことを示したときは、その場での勧誘継続も、後日改めて勧誘することも禁止されています。

訪問販売の見積書を受け取った場合は、金額を検討する前に、これらの記載が揃っているかを先に確認してください。断り方に不安がある場合は外壁塗装の訪問販売の断り方もあわせてご覧ください。

見積もりを取る前に、自分で準備しておくこと

見積書の質は、依頼する側の準備でかなり変わります。住まいるダイヤルも「相見積りを取る際は、各事業者に同じ条件で依頼しましょう」とし、条件を揃えることで「総額では最も高いと思った事業者が、条件をそろえてみると実は最も安価であったと気づくこともあります」と述べています。条件を揃えるには、まず自分の家の情報を手元に集めておく必要があります。

  • 延床面積……登記事項証明書、建築確認申請書、固定資産税の課税明細書のいずれかで確認できます。「建坪30坪」と「延床30坪」は別物なので、どちらの数字かを明確にしてください
  • 築年数と構造……木造かどうか、外壁材がサイディングかモルタルかALCか。分からなければ壁の目地の有無で見当がつきます
  • 前回の塗装時期と使った塗料……前回の契約書や領収書が残っていれば持ち出してください。前回の塗料グレードが分かると、今回の耐用年数の判断材料になります
  • 気になる箇所の写真……ひび割れ、チョーキング、コケ、シーリングの切れ、雨だれの跡などを、日付が分かる形でスマートフォンで撮っておきます
  • 要望の優先順位……予算重視か、耐用年数重視か、色を変えたいのか。この順位を先に決めておくと、提案の善し悪しを判断しやすくなります
  • 隣家との距離や駐車スペース……足場や車両の条件が金額に影響するため、事前に伝えておくと数量のブレが減ります

これらを1枚の紙にまとめ、各社に同じものを渡してください。同じ情報から出てきた見積書は、はじめて横並びで比較できます。依頼社数は住まいるダイヤルが推奨する2〜3社が現実的です。それ以上になると比較検討が煩雑になり、かえって選択が難しくなると同センターも指摘しています。声のかけ方は外壁塗装の相見積もりのマナーで整理しています。

あわせて、リフォーム瑕疵保険を利用できるかも聞いておくとよいでしょう。国土交通省によれば、リフォーム瑕疵保険は工事中または完了後に第三者検査員(建築士)による現場検査を行う仕組みで、加入には事業者が保険法人に登録している必要があります(国土交通省 リフォーム瑕疵保険)。登録の有無は、業者の姿勢を測る一つの材料になります。

よくある質問

見積書は何社から取るのが適切ですか

住まいるダイヤルは「相見積りは2〜3社がよいようです」としています。理由は、これより多いと比較検討が煩雑になり、かえって事業者の選択が困難になる場合があるためです。数を増やすより、同じ条件で依頼して比較できる形に揃えることのほうが重要です。

総額が相場より安い見積書は、それだけで良い見積書ですか

いいえ。総額の安さは、数量を少なく見ている、工程を減らしている、養生や下地補修の項目が抜けているといった理由でも生じます。まず数量欄と工程数を確認し、他社と同じ工事内容になっているかを確かめてください。項目が揃った上で安いのであれば、その安さには意味があります。

見積書の足場面積が業者によって違うのはなぜですか

足場面積の計算式が業者によって異なるためです。建築積算の解説では「(建物の外周+1.2m)×(建物の高さ+0.5m)」という式が示される一方、外周に4mや8mを足す式を使う会社もあります(建築積算ソフト楽王)。どの式かで面積が変わるため、単価だけでなく面積の算出根拠も聞いてください。

契約した後で金額が高いと気づいたら、値引きしてもらえますか

難しいのが実情です。住まいるダイヤルは、契約書に添付された見積書は契約内容の一つとされ、工事費やその内訳についても互いに合意がなされていると見なされる、と説明しています。訪問販売の場合は法定書面の受領日から8日以内であればクーリング・オフができますが、それ以外は契約前の確認がすべてです。

見積書の読み方を専門家に相談できますか

できます。住まいるダイヤル(公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター、電話03-3556-5147)では、建築士による住宅リフォームの見積書に関する相談を受け付けています。単価の妥当性の判断が難しい場合は、同センターも建築士への相談を勧めています。国土交通大臣が指定する機関で、施工業者ではないため中立の立場から意見が得られます。

まとめ

手元の見積書が適正かを判断する作業は、相場表と総額を突き合わせることではありません。数量が入っているかを確認し、単価の根拠を仕様から読み取り、最後に合計を検算する。この順番を守ることが、書類としての見積書を読むということです。

  • 総額ではなく数量欄から見る。空欄や全項目「一式」は比較の土俵に乗らない
  • ㎡・m・箇所で数えられる項目に「一式」が使われていたら要説明。廃材処分費や諸経費の一式は許容範囲
  • 塗料はメーカー名と商品名を確認し、標準塗坪と缶価格から材料費/㎡を自分で概算する
  • 大幅な値引きは、値引き額ではなく値引き前の金額の根拠を疑う
  • 訪問販売の見積書は、不具合の指摘自体が業者側から出ている点を踏まえて読む
  • 延床面積・築年数・前回の塗装時期・気になる箇所の写真を先に揃え、2〜3社に同じ条件で依頼する

見積書は、業者が現場をどれだけ具体的に想定したかがそのまま出る書類です。数量と仕様が丁寧に書き分けられた見積書は、それ自体が現地調査を真面目に行った証拠になります。金額を見る前に、まずその書きぶりを見てください。判断に迷ったときは、住まいるダイヤルの建築士相談という中立の窓口があることも覚えておくと安心です。

見積もりを取るときに使えるサービス

ここから先は広告を含みます。自分で業者を探す時間が取れない場合は、一括見積もりサービスを使う方法もあります。ただしこれらのサービスは加盟店からの掲載料で運営されているため、紹介されるのは「その仕組みに参加している会社」に限られます。地元の優良な塗装店が含まれていないこともあるため、あくまで候補を集める手段の一つとして使ってください。この記事で挙げたチェック項目は、サービス経由で集めた見積書にもそのまま使えます。

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この記事を書いた人

リフォーム編集部のアバター リフォーム編集部 株式会社スゴヨク|編集部

「リフォーム」編集部です。運営は株式会社スゴヨク(福岡市中央区/Webサイト制作・Webマーケティング)。外壁塗装・屋根工事・外構リフォームの費用や業者選びを、国土交通省・国民生活センター・住宅リフォーム推進協議会などの一次情報にあたって解説しています。金額や制度には必ず出典を明記し、確認できなかったことは「未確認」と書く方針です。当サイトは施工を行っておらず、特定の業者への送客を目的としない立場で編集しています。

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