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リフォームで使える減税は、大きく分けて「所得税の税額控除」「固定資産税の減額」「贈与税の非課税」の3種類です。そして所得税の控除を受けるには、会社員であっても自分で確定申告をする必要があります。年末調整だけでは処理できません。この記事では、2026年9月時点の国税庁・国土交通省の公表内容にもとづき、使える制度の中身と、確定申告の実務を順に整理します。
なお本記事は一般的な情報の整理です。個別の適用可否や控除額の判定は、所轄の税務署または税理士にご確認ください。
リフォームの減税は3種類。まず自分がどれに当たるかを決めます
結論として、リフォームに関わる税の優遇は「所得税」「固定資産税」「贈与税」の3つの入口に分かれます。申告先も申告時期も別々なので、最初にどれを狙うのかを決めることが出発点になります。
理由は、それぞれ根拠となる法律も窓口も違うからです。所得税と贈与税は税務署に確定申告書・贈与税申告書を出します。固定資産税は税務署ではなく、家屋のある市区町村に申告します。ここを取り違えると、期限内に手続きが終わりません。
具体的には、次の表のように整理できます。
| 区分 | 制度の名前 | おおまかな内容 | 申告先 | 申告の時期 |
|---|---|---|---|---|
| 所得税 | リフォーム促進税制(住宅特定改修特別税額控除・住宅耐震改修特別控除) | ローンの有無を問わず、工事費の一定額の10%などを所得税から差し引く | 所轄の税務署 | 工事をして入居した年の翌年の確定申告 |
| 所得税 | 住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除) | 返済期間10年以上のローンで増改築等をした場合、年末残高の0.7%を控除 | 所轄の税務署 | 1年目は確定申告、2年目以降は年末調整も可 |
| 固定資産税 | 耐震・バリアフリー・省エネ・長期優良住宅化リフォームの減額措置 | 翌年度分の家屋の固定資産税を1/3〜1/2などに減額 | 家屋のある市区町村 | 原則として工事完了後3か月以内 |
| 贈与税 | 住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税 | 親や祖父母からの増改築資金を一定額まで非課税に | 所轄の税務署 | 贈与を受けた年の翌年2月1日〜3月15日 |
まとめると、「所得税を取り戻す手続き」と「固定資産税を安くする手続き」は完全に別物です。両方の要件を満たす工事なら、両方に手続きをする必要があります。
また、減税とリフォームで使える補助金もまったく別の制度です。補助金は工事前の申請、減税は工事後の申告というように、動くタイミングも異なります。
リフォーム促進税制(投資型減税)の控除率と限度額
結論から言うと、ローンを組まずに自己資金でリフォームした場合でも、対象工事に当てはまれば所得税の税額控除の対象となります。これがいわゆる「投資型減税」で、正式には住宅特定改修特別税額控除および住宅耐震改修特別控除といいます。
理由は、耐震化や省エネ化といった政策目的の工事を後押しするために、借入の有無と切り離して控除が用意されているからです。現金一括で外壁や屋根を直した方でも、工事内容が要件に合えば対象になり得ます。
対象となるのは6つの工事タイプです
国土交通省のリフォーム促進税制のページでは、対象工事として次の6つが挙げられています。
- 耐震リフォーム(旧耐震基準の住宅を現行基準に適合させる工事)
- バリアフリーリフォーム(出入口の拡張、手すりの設置、浴室・便所の改良など)
- 省エネリフォーム(窓の断熱改修が必須。床・壁・天井の断熱、高効率設備の設置など)
- 三世代同居対応リフォーム(調理室・浴室・便所・玄関の増設)
- 長期優良住宅化リフォーム(耐震または省エネ改修と、耐久性向上改修の併用)
- 子育て対応リフォーム(子どもの事故防止、対面式キッチン、防犯性の向上、収納の増設など)
注意したいのは、外壁塗装や屋根塗装そのものは、この6つのどれにも直接は含まれていない点です。ただし、断熱塗料や遮熱塗料を使ったからといって自動的に省エネリフォームになるわけではありません。省エネ改修では窓の断熱改修が必須要件とされているため、塗装単体では要件を満たさない可能性が高いといえます。工事内容が対象になるかどうかは、必ず事前に建築士や税務署に確認してください。
控除額は「A×10%+B×5%」で計算します
国税庁の各タックスアンサーによると、控除額は「A×10%+B×5%」という形で計算します。
- A=対象工事の標準的な費用の額(工事種別ごとの限度額まで)
- B=Aの限度額を超える部分と、併せて行ったその他の工事の費用の合計(1,000万円からAを差し引いた額が上限)
ここでいう「標準的な費用の額」は、実際に支払った金額そのものではなく、工事の種類ごとに定められた単価から計算される額です。見積書の金額をそのまま10%して求めるものではない点に注意してください。
工事種別ごとの限度額と最大控除額は、国土交通省の資料で次のように示されています。
| 工事の種類 | 対象工事限度額 | 最大控除額 | 主な追加要件 |
|---|---|---|---|
| 耐震 | 250万円 | 62.5万円 | 昭和56年5月31日以前に建築された家屋 |
| バリアフリー | 200万円 | 60万円 | 50歳以上、要介護・要支援認定者、障害者、65歳以上の親族と同居 のいずれか |
| 省エネ | 250万円(太陽光発電設備の設置を含む場合350万円) | 62.5万円(同67.5万円) | 窓の断熱改修が必須 |
| 三世代同居 | 250万円 | 62.5万円 | 調理室・浴室・便所・玄関のうち2つ以上がそれぞれ複数になること |
| 長期優良住宅化(耐震または省エネ+耐久性向上) | 250万円(同350万円) | 62.5万円(同67.5万円) | 増改築による長期優良住宅の認定取得 |
| 長期優良住宅化(耐震+省エネ+耐久性向上) | 500万円(同600万円) | 75万円(同80万円) | 同上 |
| 子育て対応 | 250万円 | 62.5万円 | 40歳未満で配偶者がいる、または19歳未満の扶養親族がいる など |
共通する要件と、2026年時点の適用期限
国税庁のタックスアンサーによると、住宅特定改修特別税額控除に共通する主な要件は次のとおりです。
- 控除を受ける年分の合計所得金額が2,000万円以下であること
- 改修後の家屋の床面積が50平方メートル以上で、2分の1以上を専ら自己の居住の用に供していること
- 対象工事の標準的な費用の額(補助金等を差し引いた後)が50万円を超えること
- 工事費用の2分の1以上が自己の居住用部分の工事であること
- 自己が所有し、自己が居住する家屋の工事であること
適用期限については、注意が必要です。2026年9月時点で国税庁の各タックスアンサーには「令和7年12月31日まで」と記載されていますが、国土交通省のリフォーム促進税制のページでは、耐震・バリアフリー・省エネ・同居対応・長期優良住宅化・子育て対応のいずれについても適用期限が令和10年(2028年)12月31日までと示されています。国土交通省の令和8年度税制改正概要でも、リフォーム促進税制(所得税)は令和8年1月1日から令和10年12月31日までの3年間延長されたとされています。
あわせて、同資料では床面積要件が現行の50平方メートルから40平方メートルに緩和されたことも示されています。ただし合計所得金額が1,000万円を超える方については50平方メートル以上のままとされています。国税庁側のページ更新が追いついていない箇所があるため、令和8年(2026年)に工事を完了・入居する方は、申告前に必ず所轄の税務署で最新の取扱いを確認してください。
なお、この投資型の控除は、住宅ローン控除や特定増改築等住宅借入金等特別控除のすべての要件を満たす場合であっても、国税庁の記載では「これらの控除のいずれか1つの選択適用となります」とされています。有利なほうを選ぶ必要があり、選択後は変更できません。
ローンを組んでリフォームしたなら住宅ローン控除も選べます
結論として、返済期間10年以上のローンで増改築等をした場合は、住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)の対象となる可能性があります。新築や中古住宅の購入だけの制度ではありません。
理由は、住宅借入金等特別控除の対象に「増改築等」が明記されているためです。国税庁のタックスアンサーNo.1211-4では、対象となる増改築等として、増築・改築・大規模の修繕または大規模の模様替え、一室の床または壁の全部について行う修繕・模様替え、耐震基準に適合させるための修繕、バリアフリー改修工事、省エネ改修工事などが挙げられています。
主な要件は次のとおりです。
- 工事費用が100万円を超え、その2分の1以上が自己の居住用部分の工事であること
- 改修後の床面積が50平方メートル以上で、2分の1以上を専ら自己の居住の用に供すること
- 償還期間10年以上の借入金であること
- 控除を受ける年分の合計所得金額が2,000万円以下であること
- 増改築等の日から6か月以内に居住し、その後も引き続き居住していること
控除の内容は、国税庁によると年末残高等に0.7%を乗じた額で、控除限度額は14万円、控除期間は10年間です。年末残高等とは、住宅ローンの年末残高と工事費等のうち、いずれか少ないほうの金額を指します。
適用期限は、国土交通省の住宅ローン減税のページによると入居日が令和8年1月1日から令和12年(2030年)12月31日までとされています。国土交通省の令和8年度税制改正概要では、既存住宅の借入限度額は2,000万円、子育て世帯等は3,000万円で、控除期間は10年と示されています。床面積要件も40平方メートル以上に緩和されていますが、合計所得金額1,000万円超の方や子育て世帯等への上乗せ措置を使う方は50平方メートル以上のままです。
投資型減税と住宅ローン控除のどちらが有利かは、工事費、借入額、その方の所得税額によって変わります。借入を検討している段階の方は、リフォームローンの選び方と注意点も併せて確認しておくと判断しやすくなります。
固定資産税の減額は税務署ではなく市区町村へ申告します
結論として、固定資産税の減額措置は確定申告では処理できません。家屋のある市区町村へ、原則として工事完了後3か月以内に申告する必要があります。ここを見落として期限を過ぎてしまう例は少なくありません。
理由は、固定資産税が国税ではなく市区町村が課す地方税だからです。国土交通省の増改築等工事証明書のページでも、所得税控除は確定申告期間に税務署へ、固定資産税の減額は工事完了後3か月以内に市区町村へ提出すると説明されています。
減額の内容は次のとおりです。
| 工事の種類 | 減額割合 | 減額される期間 | 主な床面積要件 |
|---|---|---|---|
| 耐震改修 | 家屋の固定資産税額の2分の1 | 工事完了の翌年度分(1年度分) | 40平方メートル以上240平方メートル以下 |
| バリアフリー改修 | 3分の1 | 翌年度分(1年度分) | 同上 |
| 省エネ改修 | 3分の1 | 翌年度分(1年度分) | 同上 |
| 長期優良住宅化リフォーム | 3分の2 | 翌年度分(1年度分) | 耐震または省エネ改修が必須 |
適用期限は、国土交通省の資料では令和13年(2031年)3月31日までと示されています。減額の対象になるのは家屋にかかる固定資産税で、土地の固定資産税や都市計画税は対象外です。また、減額される床面積の上限が定められている自治体もあります。
申告に必要な書類の様式や添付書類は市区町村ごとに異なります。工事を発注する前に、お住まいの自治体の資産税課などに問い合わせておくことをおすすめします。
そもそも自分は確定申告が必要なのか。年末調整では処理できないのか
結論から言うと、会社員でも、リフォームの減税を受ける最初の年は必ず自分で確定申告をする必要があります。制度の一覧を眺めても解決しないのが、この手続き側の疑問です。ここを独立して整理します。
年末調整で処理できるのは住宅ローン控除の2年目以降だけです
国税庁のタックスアンサーNo.1211-4では、給与所得者の場合、住宅借入金等特別控除は2年目以降であれば年末調整で受けられるとされています。逆にいえば、1年目は勤務先の年末調整では処理できず、自分で確定申告書を提出することになります。
一方で、投資型減税である住宅特定改修特別税額控除や住宅耐震改修特別控除については、年末調整で受けられるという記載を国税庁のページで確認することはできませんでした。国税庁が年末調整で対応できるとしているのは住宅借入金等特別控除の2年目以降であり、投資型の税額控除はそこに含まれていません。したがって、投資型減税を使う場合は確定申告が前提になると考えておくのが安全です。
なお投資型減税は、原則としてその工事をして居住した年分の1回限りの控除です。住宅ローン控除のように10年間続くものではありません。この点も混同しやすいので注意してください。
申告を忘れても、還付申告は5年さかのぼれます
「去年リフォームしたのに申告を忘れていた」という場合でも、諦める必要はありません。国税庁のタックスアンサーNo.2030によると、還付申告書はその年の翌年1月1日から5年間提出することができますとされています。
また還付申告は、通常の確定申告期間(原則として翌年2月16日から3月15日まで。休日の関係で前後します)に縛られません。翌年1月1日以降であれば、申告期間の前後でも提出できます。混雑する時期を避けて手続きできるのは実務上の利点です。
ただし、5年さかのぼれるからといって書類が後からそろうとは限りません。増改築等工事証明書や工事請負契約書の写しは、時間が経つほど取得が難しくなります。工事が終わった時点で書類を確保しておくことが現実的な備えになります。
そもそも所得税を納めていなければ、還る税金はありません
見落とされがちですが、これらは所得税から直接差し引く「税額控除」です。そのため、その年に納めた所得税額を超えて還付されることはありません。年金収入が中心で所得税額が少ない方の場合、表に示した最大控除額に届かないことは十分にあり得ます。
「最大62.5万円」といった数字は、あくまで制度上の上限です。実際にいくら戻るのかは、源泉徴収票の源泉徴収税額などを見ながら概算してみてください。判断に迷う場合は、所轄の税務署または税理士への相談が確実です。
最大の関門は「増改築等工事証明書」。誰が発行するのか
結論として、リフォーム減税の実務で最もつまずきやすいのが、増改築等工事証明書の取得です。この証明書は施工した業者が自由に発行できるものではありません。制度の一覧記事ではほとんど触れられませんが、ここが実質的なボトルネックになります。
国土交通省のページによると、増改築等工事証明書を発行できるのは次のいずれかに該当する者とされています。
- 建築士事務所に属する建築士
- 指定確認検査機関の建築士または建築基準適合判定資格者
- 登録住宅性能評価機関の建築士または建築基準適合判定資格者
- 住宅瑕疵担保責任保険法人の建築士または建築基準適合判定資格者
また耐震改修の場合は、増改築等工事証明書に代えて住宅耐震改修証明書を使うこともできます。こちらは地方公共団体の長が発行するもので、家屋のある市区町村へ相談することになります。
施工業者に頼めるかどうかは、業者の体制次第です
建築士事務所の登録があり、所属する建築士がいる会社であれば、施工した業者がそのまま証明書を発行できる場合があります。一方、塗装専門店や小規模な工務店では、建築士事務所の登録がないケースもあります。その場合は、外部の建築士事務所や指定確認検査機関などに別途依頼することになります。
そのため、減税を前提にリフォームを考えているなら、契約前に次の点を確認しておくことをおすすめします。
- 増改築等工事証明書を発行してもらえるか、発行できないなら誰に依頼するのか
- 証明書の発行費用は工事費に含まれるのか、別途請求なのか
- 証明書の発行に必要な図面や写真を、工事中に撮影・保管してもらえるか
- 使いたい制度の名前(省エネ改修、耐震改修など)を伝えたうえで、要件を満たす仕様になっているか
証明書の発行費用については、公的に定められた統一料金は確認できませんでした。発行者ごとに異なると考えられるため、見積もり時に個別に確認してください。金額を明示しない業者や、証明書について曖昧な回答しかしない業者は、複数社を比べる材料にもなります。契約前の比較の進め方はリフォーム見積もりの比較のポイントで整理しています。
また、国土交通省のページには「対象外の工事のみの場合は証明書を発行できない」という趣旨の注意も記載されています。工事後に「減税に使いたい」と言っても、要件を満たしていなければ証明書は出ません。順番としては、工事内容を決める段階で制度を意識することが不可欠です。
確定申告の必要書類と、補助金を受け取った場合の扱い
結論として、必要書類は制度によって少しずつ異なりますが、共通して求められるのは「計算明細書」「増改築等工事証明書」「登記事項証明書」の3点です。加えて、住宅ローン控除では契約書の写しや年末残高等証明書が必要になります。
| 書類 | 投資型減税(住宅特定改修特別税額控除など) | 住宅ローン控除(増改築等) | 入手先 |
|---|---|---|---|
| 控除額の計算明細書 | 必要 | 必要(連帯債務がある場合は付表も) | 国税庁のサイト・税務署 |
| 増改築等工事証明書 | 必要 | 必要 | 建築士事務所に属する建築士、指定確認検査機関 など |
| 登記事項証明書(床面積の確認用) | 必要 | 必要 | 法務局 |
| 工事請負契約書の写し | 制度により必要 | 必要 | 施工業者 |
| 住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書 | 不要 | 必要 | 借入先の金融機関 |
| 補助金等の額を証する書類(交付決定通知書など) | 補助金を受けた場合は必要 | 補助金を受けた場合は必要 | 補助金の実施主体 |
| 昭和56年5月31日以前の建築を明らかにする書類 | 耐震改修の場合に必要 | 制度により必要 | 法務局(登記事項証明書など) |
| 介護保険の被保険者証の写し | バリアフリー改修で該当する場合 | — | 市区町村 |
補助金を受け取ったら、工事費から差し引いて計算します
ここは間違えやすい重要な点です。国税庁のタックスアンサーには「補助金等の交付を受ける場合には、その補助金等の額を控除します」と記載されています。つまり、補助金は工事費から差し引いたうえで控除額を計算します。
たとえば省エネ改修では、標準的な費用の額が補助金等を差し引いた後で50万円を超えることが要件とされています。補助金を差し引いた結果50万円以下になれば、要件を満たさないことになります。補助金と減税は併用できますが、控除額が単純に上乗せされるわけではありません。
また、補助金と税制優遇はまったく別の制度である点にも注意してください。実際、長期優良住宅化リフォーム推進事業の公式サイトには「令和8年度、本事業は実施しません。」と明記されています。補助金が終了しても、所得税の長期優良住宅化リフォームの税額控除は国土交通省の資料上、令和10年12月31日まで残っています。補助金の有無と減税の有無は分けて考える必要があります。窓の断熱改修まわりの補助制度については窓の断熱リフォームで使える省エネ補助金、自治体独自の制度については外壁塗装で使える助成金も参考にしてください。
親から資金援助を受けるなら贈与税の非課税特例も検討します
親や祖父母から増改築の資金を出してもらう場合は、住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税の特例が使える可能性があります。国税庁のタックスアンサーNo.4508によると、省エネ等住宅の場合は1,000万円まで、それ以外の住宅の場合は500万円までが非課税とされています。
主な要件は次のとおりです。
- 令和6年1月1日から令和8年12月31日までの間に贈与を受けたものであること
- 贈与を受けた年の1月1日において18歳以上であること
- 贈与を受けた年分の合計所得金額が2,000万円以下であること
- 増改築等の工事に要した費用の額が100万円以上で、2分の1以上が自己の居住用部分の工事であること
- 贈与を受けた年の翌年3月15日までに増改築等をすること
この特例は、非課税となる場合でも贈与税の申告書の提出が必要です。贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに、戸籍の謄本や契約書の写しなどを添えて提出します。2026年9月時点では適用期限が令和8年12月31日とされているため、年内の贈与を検討している方は早めに税務署へ相談してください。
よくある質問
外壁塗装だけでもリフォーム減税の対象になりますか
外壁塗装そのものは、国土交通省が挙げるリフォーム促進税制の6つの対象工事に直接は含まれていません。省エネ改修は窓の断熱改修が必須要件とされているため、塗装単体では要件を満たさない可能性が高いといえます。ただし、外壁の断熱改修を伴う工事や、耐震改修と併せて行う工事などでは、その他の工事としてB部分に算入される余地があります。実際の判定は工事内容によるため、建築士と税務署に確認してください。
投資型減税と住宅ローン控除は両方使えますか
国税庁のタックスアンサーNo.1219には、住宅特定改修特別税額控除と住宅借入金等特別控除などのすべての要件を満たす場合、「これらの控除のいずれか1つの選択適用となります」と記載されています。したがって、同時に両方を受けることはできません。控除額を試算して有利なほうを選ぶことになります。選択後は変更できないとされているため、判断に迷う場合は事前に税務署や税理士に相談することをおすすめします。
築30年の家ですが、耐震改修の減税は使えますか
住宅耐震改修特別控除の対象は、国税庁によると昭和56年5月31日以前に建築された家屋です。2026年時点で築30年程度の住宅は1996年前後の建築となるため、この要件には当てはまりません。ただし、省エネ改修やバリアフリー改修、長期優良住宅化リフォームには建築年の要件がないため、そちらの対象になる可能性はあります。築年数ごとの工事の考え方は築30年の家はどこまでリフォームすべきかも参考にしてください。
訪問販売で「減税で工事費が戻る」と言われました。信用できますか
慎重に判断してください。減税は工事費が丸ごと戻る制度ではなく、要件を満たした工事について所得税額の範囲で控除されるにとどまります。また、増改築等工事証明書を発行できる者は限られており、業者が「うちで全部やれます」と言っても実際には外部への依頼が必要な場合があります。国民生活センターの点検商法に関する相談件数の公表によると、点検商法に関する相談は2023年度の12,550件から2025年度は19,696件へ増えています。この2025年度の数値は2026年5月31日時点の集計で、未確定とされています。その場で契約せず、複数社を比較してください。
確定申告は自分でできますか。税理士に頼むべきですか
必要書類がそろっていれば、国税庁の確定申告書等作成コーナーを使って自分で作成することも可能です。控除額の計算明細書も国税庁のサイトから入手できます。一方で、投資型減税と住宅ローン控除のどちらが有利かの判定や、複数の工事を組み合わせた場合の計算は複雑になります。判断に迷う場合や金額が大きい場合は、税理士に相談するか、確定申告期間前に所轄の税務署の相談窓口を利用するのが確実です。契約や工事の内容そのものに不安がある場合は、国土交通大臣指定の住宅リフォーム紛争処理支援センターが運営する住まいるダイヤルに相談できます。
まとめ
リフォームの減税は、所得税・固定資産税・贈与税の3つに分かれており、申告先も期限も別々です。2026年9月時点の国土交通省の資料では、リフォーム促進税制(所得税)は令和10年12月31日まで、固定資産税の減額措置は令和13年3月31日まで、住宅ローン控除は令和12年12月31日入居分まで延長されているとされています。
手続き面のポイントを整理すると、次のとおりです。
- 会社員でも、所得税の控除を受ける最初の年は自分で確定申告をする必要があります
- 年末調整で処理できるのは住宅ローン控除の2年目以降だけです
- 申告を忘れても、還付申告は翌年1月1日から5年間提出できます
- 固定資産税の減額は市区町村へ、原則として工事完了後3か月以内に申告します
- 増改築等工事証明書は建築士事務所に属する建築士などに限られるため、契約前に発行体制を確認します
- 補助金を受け取った場合は、工事費から差し引いて控除額を計算します
制度の一覧を把握することより、証明書を出せる体制の業者を選び、工事内容を決める段階で要件を満たしておくことのほうが実務では重要です。減税を前提にするなら、工事の計画段階から動き始めてください。
なお、国税庁のタックスアンサーには適用期限が令和7年12月31日までと記載されたままのページもあり、国土交通省の資料と表記が一致していない箇所があります。本記事は2026年9月時点で確認できた公表内容にもとづく一般的な情報の整理であり、個別の適用可否や控除額の判定を保証するものではありません。実際の申告にあたっては、必ず所轄の税務署または税理士にご確認ください。
見積もりを取るときに使えるサービス
ここから先は広告を含みます。自分で業者を探す時間が取れない場合は、一括見積もりサービスを使う方法もあります。ただしこれらのサービスは加盟店からの掲載料で運営されているため、紹介されるのは「その仕組みに参加している会社」に限られます。地元の優良な塗装店が含まれていないこともあるため、あくまで候補を集める手段の一つとして使ってください。この記事で挙げたチェック項目は、サービス経由で集めた見積書にもそのまま使えます。

