外壁塗装の助成金はいくら?国と自治体の制度の探し方と申請の注意点

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「外壁塗装 助成金 いくら」で調べている方に、最初にお伝えしたい結論があります。外壁塗装そのものを目的にした助成金は、実はそれほど多くありません。実際に使えるのは、省エネ・耐震・同居対応など「別の目的」を持つ制度の中に、手段として塗装が入り込んでいるケースです。金額も一律ではなく、工事費の5〜20%・上限10万円前後という自治体もあれば、遮熱塗装1㎡あたり1,000円という自治体もあります。この記事では、金額の羅列ではなく「自分の市区町村の制度をどう探し、どう確認するか」を手順で整理します。

目次

大前提:外壁塗装だけを対象にした助成金は多くありません

結論から言うと、「外壁塗装をするから助成金が出る」という制度は例外的で、多くの場合は別の政策目的を持った制度の対象工事のひとつに、たまたま塗装が含まれているという構造になっています。ここを理解しておかないと、探す場所も、聞くべき窓口も間違えます。

理由は、行政がお金を出す根拠にあります。自治体が住民の工事費を負担するには「その工事が公共の利益になる」という説明が必要です。単に建物をきれいにするだけでは根拠が弱く、「省エネで温室効果ガスが減る」「地震で倒れにくくなる」「地元の業者にお金が回る」といった目的があってはじめて予算がつきます。つまり、塗装は目的ではなく手段として扱われているわけです。

この構造は、地方公共団体の支援制度を横断的に検索できる公的なサイトの分類にもはっきり表れています。一般社団法人住宅リフォーム推進協議会が運営する「地方公共団体における住宅リフォーム支援制度検索サイト」では、支援制度が耐震化・バリアフリー化・省エネルギー化・環境対策・防災対策・同居対応・その他という区分で整理されています(出典:住宅リフォーム推進協議会「地方公共団体における住宅リフォーム支援制度検索サイト」/2026年8月30日確認)。「外壁塗装」という独立した区分は存在しません。

ですから、探すときの発想を変える必要があります。「外壁塗装 助成金 ○○市」ではなく、「自分の市区町村に、省エネ・耐震・住宅リフォーム一般の制度があるか。そこに塗装が入っているか」という順番で確認していくのが正しい手順です。

下の表は、外壁塗装が関わりうる制度を目的別に整理したものです。

制度の目的外壁塗装との関わり方担当しがちな部署
省エネルギー化・環境対策遮熱塗料・高反射率塗料を使った塗装が対象になることがある(屋根限定の例が多い)環境課・地球温暖化対策担当
耐震化耐震改修工事の一部として、外壁をはがして復旧する費用が含まれることがある建築指導課・住宅課
一般の住宅リフォーム助成(地域経済対策)市内業者に発注することを条件に、外壁塗装を含む幅広い工事が対象商工課・住宅課
同居対応・移住定住・空き家活用三世代同居や転入・空き家改修に伴うリフォームの一部として対象企画課・子育て支援課など
景観形成・まちなみ整備指定地区内で、決められた色に塗り替える場合に補助が出ることがある都市計画課・景観担当
出典:住宅リフォーム推進協議会「地方公共団体における住宅リフォーム支援制度検索サイト」の支援分類をもとに編集部で整理(2026年8月30日確認)

なお、この記事に書いた個別自治体の内容は、いずれも2026年8月30日時点で各自治体の公式ページを確認したものです。助成制度は年度ごとに内容が変わり、予算上限に達した時点で受付が終了します。実際に申請するときは、必ずお住まいの市区町村の公式サイトで最新情報を確認してください。

国の制度は「塗装」ではなく断熱材・窓・給湯器が中心です

結論として、国が実施している住宅の省エネ関連の補助事業は、外壁塗装そのものを補助対象として名指ししていません。中心にあるのは、窓の断熱改修、壁や床や天井への断熱材の施工、高効率給湯器の設置です。

2026年8月30日時点で確認できたのは、国土交通省・経済産業省・環境省が連携する「住宅省エネ2026キャンペーン」です。公式サイトによると、このキャンペーンは次の4事業で構成されています(出典:住宅省エネ2026キャンペーン公式サイト/2026年8月30日確認)。

  • みらいエコ住宅2026事業(躯体の断熱改修を含む幅広いリフォーム工事が対象)
  • 先進的窓リノベ2026事業(高い断熱性能を持つ製品を使った開口部の改修)
  • 給湯省エネ2026事業(高効率給湯器の設置)
  • 賃貸集合給湯省エネ2026事業(賃貸集合住宅の小型省エネ給湯器の交換)

このうち外壁に最も近いのが「みらいエコ住宅2026事業」です。公式サイトの対象要件ページでは、リフォームの要件化工事として、外皮に面する開口部を持つ居室(トリガールーム)で「開口部の断熱改修+躯体の断熱改修+特定エコ住宅設備」または「開口部の断熱改修+躯体の断熱改修」を行うことが示されています。補助上限は住宅の新築時期によって分かれ、平成3年以前の住宅で義務基準に対応した場合は100万円/戸、平成4〜28年の住宅では80万円/戸などと案内されています(出典:みらいエコ住宅2026事業「対象要件の詳細【リフォーム】」/2026年8月30日確認)。

ここで重要なのは、躯体の断熱改修として想定されているのは壁・床・天井への断熱材の施工であり、公式サイトの対象工事の説明に「塗装」という言葉は出てこないという点です。断熱塗料や遮熱塗料を塗るだけでこの補助金が使える、とは公式には案内されていません。営業でそう説明された場合は、必ず公式サイトの対象要件と、登録事業者かどうかを自分で確認してください。同事業では、あらかじめ登録した「みらいエコ住宅事業者」と契約することが条件とされています。

また、この種の国の事業は予算に達した時点で受付が終わります。みらいエコ住宅2026事業の公式サイトには「予算上限(100%)に達し次第、交付申請(予約を含む)の受付を終了します」と明記されており、トップページには予算の消化状況が公開されています(2026年8月29日午前0時時点で4%と表示)。事業名も内容も年度ごとに変わるため、「去年こうだった」は通用しないと考えたほうが安全です。

国の制度をまとめて確認したいときは、国土交通省の「住宅リフォームの支援制度」ページが出発点になります。このページは補助制度・税制優遇・融資・その他という区分で制度を紹介しており、地方公共団体の支援制度検索サイトへの案内も掲載されています(出典:国土交通省「住宅リフォームの支援制度」/掲載は令和7年6月2日時点、2026年8月30日確認)。ページ自体に「○年○月時点」と書かれているとおり、公的な情報でも更新時点の確認は欠かせません。

自治体の助成は4つのパターンに分かれます【この記事独自の整理】

結論として、外壁塗装で使える可能性がある自治体の制度は、①省エネ・環境型、②一般リフォーム助成型、③耐震改修付随型、④暮らし方支援型の4パターンに整理できます。金額を覚えるより、この4パターンを覚えたほうが、自分の市区町村を調べるときに圧倒的に速く判断できます。

パターン①:省エネ・環境型(遮熱塗料・高反射率塗料が鍵)

地球温暖化対策の一環として、太陽光パネルや蓄電池と並べて「高反射率塗装」を助成対象に入れているタイプです。東京23区に多く見られます。

たとえば東京都江東区の「(個人住宅用・集合住宅用)地球温暖化防止設備導入助成」では、令和8年度の対象設備に太陽光発電システムや蓄電池などと並んで高反射率塗装が挙げられています(出典:江東区「(個人住宅用・集合住宅用)地球温暖化防止設備導入助成」/2026年8月30日確認)。区が公開している個人住宅用の案内資料では、助成額は施工面積1㎡あたり1,000円・上限20万円とされ、対象は「住宅の屋根及び屋上及びベランダ(太陽光熱が反射する部分に限る。)」と明記されています。

東京都中央区にも似た制度があり、「自然エネルギー及び省エネルギー機器等導入費助成金」の令和8年度の対象に「屋上・屋根用高反射率塗料」が含まれています(出典:中央区「令和8年度住宅・共同住宅用自然エネルギー・省エネルギー機器等導入費助成」/2026年8月30日確認)。受付は令和8年4月1日から予算がなくなり次第終了、工事の2週間程度前までの申請が必要とされています。

ここで見落としやすいのが、制度名に「塗装」と入っていても、対象部位が屋根・屋上に限られている場合があることです。江東区も中央区も、公式の案内では屋根・屋上まわりが対象と読めます。「外壁塗装の助成金がある区」として紹介されていても、実際には外壁が対象外というケースがあるので、必ず対象部位の記述を確認してください。

パターン①の落とし穴:遮熱塗料なら必ず対象、ではありません

結論として、遮熱塗料・高反射率塗料を使えば助成が受けられるという制度は確かに存在しますが、「対象部位」「性能証明」「差額との比較」という3点を確認しないと、期待した金額にならないことがあります。

1つ目は対象部位です。前述のとおり、江東区も中央区も対象は屋根・屋上まわりでした。外壁と屋根を一緒に塗る予定でも、助成の計算に入るのは屋根の面積だけ、という結果になり得ます。見積書の面積を屋根と外壁で分けて出してもらうと、申請額の見込みが立てやすくなります。

2つ目は性能の証明です。江東区が公開している案内資料では、高反射率塗装の要件として「JIS K5675(屋根用高日射反射率塗料)の規格を満たすもの」または「JIS K5602もしくはJIS R3106における日射反射率(近赤外領域)の数値が50%以上のもの」と定められ、カタログや第三者機関の証明書の写しで確認するとされています。「遮熱塗料」と名乗っていれば何でも通るわけではありません。塗料の候補を決める段階で、この基準を満たす製品かどうかを業者に確認しておく必要があります。塗料そのものの選び方は塗料の種類と耐用年数一覧もあわせて参考にしてください。

3つ目は、遮熱塗料に変えることで増える費用と、受け取れる助成額の比較です。たとえば屋根の施工面積が60㎡で1㎡あたり1,000円の助成なら6万円です。同じ屋根を通常のシリコン塗料ではなく遮熱グレードにした場合の差額がそれを上回るなら、金額面だけを見れば得とは限りません。助成金を目的に塗料のグレードを上げると、かえって総額が増えることがあるという視点は持っておいてください。もっとも、遮熱には夏場の室温上昇を抑える効果が期待できるため、金額だけで判断する話でもありません。費用全体の考え方は外壁塗装30坪の費用外壁塗装を安くする方法で整理しています。

パターン②:一般リフォーム助成型(市内業者に発注することが条件)

地域経済の活性化を目的に、市内の業者に工事を発注することを条件として、幅広いリフォームに補助を出すタイプです。外壁塗装が正面から対象になりやすいのはこのパターンです。

埼玉県川口市の「令和8年度川口市住宅リフォーム補助金」では、屋根・外壁・床・塀などの工事が対象とされ、税込20万円以上のリフォーム工事について工事費用の5%(最大10万円)が補助されると案内されています。条件として、川口市内に本社がある業者または川口市在住の個人事業主による工事であること、市税を滞納していないこと、交付決定後に着手する工事であることが挙げられています。受付は令和8年8月6日から令和9年1月29日までで、予算額に達し次第終了の先着順です(出典:川口市「令和8年度(2026年度)川口市住宅リフォーム補助金」/2026年8月30日確認)。

一方、長崎市の「快適住まいづくり支援費補助金」は同じ一般リフォーム型でも中身が異なります。令和8年度の対象工事は「屋根の遮熱・断熱塗装などによる省エネ化」「浴室・便所などのバリアフリー化」「居室の間取り変更などの居住性向上」とされ、外壁塗装そのものは対象工事として挙げられていません。補助額は対象工事費の20%・上限10万円(空き家改修は上限20万円)で、申請は抽選制。市内に本社がある法人(支社・営業所のみは不可)または市内に住所がある個人への発注であること、市税の滞納がないこと、交付決定を受けてから工事に着手することが条件です(出典:長崎市「長崎市快適住まいづくり支援費補助金」/2026年8月30日確認)。

同じ「住宅リフォーム補助」という名前でも、片方は外壁塗装が対象で片方は屋根の遮熱塗装のみ、片方は先着順で片方は抽選。この差の大きさが、他人の体験談やまとめサイトを鵜呑みにできない理由です。

パターン③:耐震改修付随型(外壁は「ついで」に直る)

木造住宅の耐震改修に対する助成は、全国の多くの市区町村にあります。金額の桁も他のパターンより大きいのが特徴です。

東京都台東区の耐震助成では、昭和56年5月31日以前に建てられた建物の耐震改修工事について、重点地区では工事費用の3分の2(上限200万円)、その他の地域では2分の1(上限150万円)といった助成が案内されています。あわせて、区の承認を受ける前に行った工事は助成の対象にならないことも明記されています(出典:台東区「耐震診断・補強設計・耐震改修工事等に対する助成」/2026年8月30日確認)。

ただし注意点があります。耐震改修では壁の中に筋かいや金物を入れるため、外壁をいったんはがして戻す作業が発生します。この復旧費が助成の対象になるかどうかは自治体ごとの取り扱いによりますし、「見た目のための塗り替え」まで対象になるとは限りません。台東区の公開情報でも、外壁の復旧・塗装が独立した助成項目として明示されているわけではありませんでした。耐震改修と塗り替えの時期が近いなら、まず耐震担当部署に「外壁の復旧はどこまで対象か」を確認するのが実務的です。

パターン④:暮らし方支援型(同居・転入・空き家)

三世代同居のためのリフォーム、市外からの転入に伴う改修、空き家の再生などを支援する制度です。前掲の検索サイトでも「同居対応」という支援分類が用意されています。これらは工事の種類を細かく限定せず「住宅の改修工事」とまとめて扱うことがあり、その中に外壁塗装が含まれる余地があります。

ただし、条件は工事内容ではなく「人」に付きます。子世帯が市外から転入すること、申請者の年齢や世帯構成、転入後の居住年数の約束など、要件が細かい制度が多いのが特徴です。塗装を検討しているタイミングでたまたま条件に当てはまるなら大きい、という位置づけで見ておくとよいでしょう。

自治体・制度名塗装の扱い金額の考え方受付方式
江東区 地球温暖化防止設備導入助成(令和8年度)高反射率塗装が対象。対象は屋根・屋上・ベランダ施工面積1㎡あたり1,000円/個人住宅用は上限20万円令和9年3月15日必着・着工前申請
中央区 自然エネルギー及び省エネルギー機器等導入費助成金(令和8年度)屋上・屋根用高反射率塗料が対象公式ページで要確認令和8年4月1日〜予算がなくなり次第終了
川口市 住宅リフォーム補助金(令和8年度)屋根・外壁の工事が対象税込20万円以上の工事で工事費の5%・最大10万円令和8年8月6日〜令和9年1月29日・先着順
長崎市 快適住まいづくり支援費補助金(令和8年度)屋根の遮熱・断熱塗装は対象。外壁塗装は対象工事に挙げられていない対象工事費の20%・上限10万円(空き家改修は20万円)第1期・第2期の抽選制
台東区 耐震改修工事助成耐震改修が対象。外壁の塗り替え単体は対象ではない重点地区は工事費の3分の2・上限200万円など事前承認が必須
出典:各自治体の公式ページ(いずれも2026年8月30日確認)。年度ごとに内容が変わるため、申請時は必ず最新の公式情報をご確認ください。

申請の共通ルール:着工前の申請が原則です

結論から言うと、制度が違っても共通するルールがいくつかあり、その中で最も重要なのが「工事を始める前に申請する」という原則です。工事が終わってから気づいても、原則として遡って申請することはできません。

今回確認した自治体でも、この原則は例外なく明記されていました。江東区は「必ず工事着工前に申請してください」とし、申請から交付決定までおよそ1か月程度としています。中央区は「導入工事の2週間程度前までに申請」、川口市は「交付決定後に着手する工事」が対象、長崎市は「必ず交付決定を受けてから工事に着手してください」、台東区は区の承認前に行った工事は対象外、といった具合です。

つまり、助成金を使うつもりなら、契約や着工のスケジュールを1〜2か月前倒しで考える必要があります。「来月から工事」という段階で調べ始めると、間に合わないことのほうが多いと考えてください。塗装の時期そのものの考え方は外壁塗装のタイミングも参考になります。

着工前申請以外にも、次のような条件が繰り返し登場します。

  • 市区町村内の業者に発注すること:川口市は「市内に本社がある業者または市内在住の個人事業主」、長崎市は「市内に本社がある法人(支社・営業所のみは不可)または市内に住所がある個人」と定めています。県外の大手や、営業所だけ市内にある会社は対象外になり得ます
  • 市税・区税を滞納していないこと:川口市・長崎市とも要件に挙げています。世帯全員が対象になる制度もあります
  • 予算がなくなれば終了:川口市は先着順で予算額に達し次第終了、中央区も予算がなくなり次第終了と明記。年度初めに動くほど有利です
  • 抽選になることがある:長崎市は第1期・第2期とも抽選。申し込めば必ずもらえるとは限りません
  • 回数制限:江東区は同一住宅につき設備の種類ごとに過去5年以内で1回限り、中央区は同年度内は対象機器ごとに1回限りとしています
  • 完了報告にも期限がある:江東区は令和9年3月31日まで、中央区も令和9年3月31日までの完了報告を求めています。工期が年度をまたぐ計画は要注意です
  • 最低工事金額がある:川口市は税込20万円以上の工事が対象です

「市内業者限定」という条件は、業者選びにも影響します。相見積もりを取る際は、最初から市内業者を含めておくと選択肢が広がります。進め方は外壁塗装の相見積もりのマナーにまとめています。

自分の市区町村の制度を調べる3ステップ

結論として、調べ方は①市区町村の公式サイトを直接見る、②公的な横断検索サイトで当たりをつける、③窓口に電話で確認するの3ステップで足ります。順番を守ることで、古い情報や業者の宣伝ページに惑わされずに済みます。

ステップ1:市区町村の公式サイト内で検索する

最初にやるべきは、お住まいの市区町村の公式サイトのサイト内検索です。検索窓に入れるキーワードは「外壁塗装」ではなく、次のような言葉にしてください。

  • 住宅リフォーム 補助
  • 住宅リフォーム 助成
  • 省エネ 設備 助成/地球温暖化 設備 助成
  • 高反射率塗料/遮熱塗装
  • 耐震改修 補助
  • 三世代同居 補助/空き家 改修 補助

検索エンジンで探す場合は「○○市 住宅リフォーム 補助 site:lg.jp」のように、自治体ドメインに絞ると公式ページだけが出てきます。見つかったページでは、必ず年度の表記(令和8年度など)と、ページの更新日を確認してください。前年度のページが検索上位に残っていることは珍しくありません。

ステップ2:公的な横断検索サイトで当たりをつける

市区町村のサイトは構造が分かりにくいことも多いので、横断検索サイトを併用します。前述の住宅リフォーム推進協議会の検索サイトなら、都道府県・市区町村を選び、耐震化・省エネルギー化・環境対策・同居対応などの分類と、補助・融資・利子補給といった支援方法で絞り込めます。

ただしこのサイト自体が「最新の情報については各地方公共団体にお問い合わせください」と案内しています。横断検索サイトは制度の存在を知るための入口であって、条件や金額の根拠にはしない。ここで見つけた制度名を、あらためて市区町村の公式ページで確認する、という使い方が正解です。

ステップ3:担当窓口に電話で確認する

最後は電話です。ページを読んでも判断がつかない点は必ず出てきます。聞くべきことをあらかじめ決めておくと、1回の電話で終わります。

  • 今年度の受付はまだ続いているか。予算の残りはどのくらいか
  • 外壁の塗装は対象か。屋根だけか。対象部位はどこまでか
  • 塗料に性能の条件はあるか。証明書類は何が必要か
  • 業者の所在地に条件はあるか(本社が市内であることが必要か)
  • 申請から交付決定まで何日かかるか。着工はいつからできるか
  • 完了報告の期限はいつか

塗装業者に「うちの市で使える助成金はありますか」と聞くのも有効です。地元で長く営業している会社ほど、申請書類の書き方や写真の撮り方に慣れています。ただし、業者の説明を最終確認にはしないこと。制度の可否を決めるのは自治体であって業者ではありません。業者から聞いた制度名を、自分で公式ページに当てて確かめる一手間が、あとのトラブルを防ぎます。業者の見極め方は外壁塗装の業者の選び方で詳しく扱っています。

助成金・火災保険・減税はまったく別の制度です

結論として、この3つはお金の出どころも、条件も、手続きの相手も違います。混同すると「保険で助成金が出る」といった存在しない話を信じてしまうことになります。

項目助成金・補助金火災保険減税(リフォーム促進税制)
お金の出どころ国・都道府県・市区町村の予算加入している保険会社納めた税金が戻る/軽くなる
使える条件省エネ・耐震など制度の目的に合う工事台風・雹・大雪など自然災害による損害窓の断熱改修など、税制で定められた工事
手続きの相手自治体・事務局保険会社(必要に応じて代理店)税務署(確定申告)・市区町村
タイミング着工前の申請が原則被害の発生後に請求工事後の確定申告など
経年劣化の塗り替え制度によっては対象になり得る対象外塗装単独では対象になりにくい
出典:各制度の公的資料をもとに編集部で整理(2026年8月30日確認)

火災保険が使えるのは、あくまで自然災害で壊れた場合です。経年劣化による色あせやチョーキングを理由に保険金が出ることはありません。この線引きは屋根修理と火災保険の適用条件で詳しく解説していますので、台風のあとに塗装を検討している方はあわせてお読みください。

減税についても、外壁塗装だけでは使いにくいのが実情です。国土交通省のリフォーム促進税制の案内では、省エネリフォームの所得税控除について「窓の断熱改修(ガラス交換、サッシ交換、内窓の新設・交換)」が必須と明示されています。所得税の控除は令和10年12月31日までに住み始める方が対象、固定資産税の軽減は令和13年3月31日までに行われたリフォームが対象と案内されています(出典:国土交通省「リフォーム促進税制(所得税・固定資産税)について」/2026年8月30日確認)。つまり、遮熱塗料を塗っただけでは要件を満たしません。適用の可否は個別事情で変わるため、実際に申告する際は税務署や市区町村の税務担当に確認してください。

「助成金が使えます」と近づいてくる業者への注意

結論として、助成金は営業のフックとして非常に使われやすいキーワードです。「今なら国の補助金で実質半額」「助成金の枠が残っているのは今日まで」といった説明が出てきたら、いったん止まって公式サイトを確認してください。

典型的な危うい説明は次のようなものです。

  • 制度名を言わずに「補助金」「助成金」とだけ言う
  • 「国の補助金」と言うが、対象工事に塗装が含まれるかを説明できない
  • 助成額を差し引いた金額だけを見せ、元の工事金額の内訳を示さない
  • 「申請はうちが全部やるので契約だけ先に」と着工前申請の順序を曖昧にする
  • 「枠が埋まる」と急がせ、その場での契約を求める

特に、助成額を織り込んだ「実質価格」だけを提示する見積書には注意が必要です。もともとの金額が相場より高ければ、助成を受けても割高になります。見積書の読み方は、国土交通大臣指定の住宅リフォーム紛争処理支援センターが公開している見積書のセルフチェック資料が役に立ちます(出典:住まいるダイヤル「リフォームの基礎知識」)。金額の妥当性は外壁塗装の見積もり相場で確認してください。

訪問販売がきっかけの場合は、さらに慎重に。国民生活センターに寄せられる住宅の点検商法の相談は、2023年度の12,550件から2025年度は19,696件へと増えています(2026年5月31日時点の集計で、未確定の数値です。出典:国民生活センター「点検商法・訪問販売によるリフォーム工事」)。訪問販売で契約した場合は、法定の書面を受け取った日から8日間はクーリング・オフができます(出典:消費者庁「特定商取引法ガイド 訪問販売」)。

断り方や見分け方は、悪徳業者の見分け方で具体的にまとめています。判断に迷ったら、消費者ホットライン「188」に相談するという選択肢も覚えておいてください。

よくある質問

Q. 外壁塗装の助成金は、結局いくらもらえるのですか

制度によってまったく異なり、全国共通の金額はありません。今回確認した範囲では、一般の住宅リフォーム補助で工事費の5〜20%・上限10万円前後(川口市・長崎市)、遮熱塗装への助成で施工面積1㎡あたり1,000円・上限20万円(江東区の個人住宅用)といった水準でした。耐震改修に付随する形なら100万円を超える助成もありますが、これは塗装への助成ではありません。「外壁塗装だから○万円」という相場は存在しないと考えて、お住まいの市区町村の制度を個別に確認してください。

Q. どの市区町村にも助成金はありますか

いいえ。制度がない市区町村もありますし、年度によって実施したりしなかったりする制度もあります。また、制度があっても外壁塗装が対象工事に含まれていないケース(長崎市の例では屋根の遮熱・断熱塗装が対象で、外壁塗装は対象工事に挙げられていません)もあります。「ない可能性のほうが高い」くらいの前提で調べ始めたほうが、期待値のずれによる失望を避けられます。

Q. 工事が終わってから申請することはできますか

原則としてできません。今回確認した自治体はいずれも着工前の申請・交付決定を条件としており、江東区は「必ず工事着工前に申請してください」、長崎市は「必ず交付決定を受けてから工事に着手してください」、台東区は承認前に行った工事は対象外と明記しています。契約前の段階で制度を調べておくことが、事実上の必須条件です。

Q. 遠方の安い業者に頼みたいのですが、助成金は使えますか

制度によります。地域経済の活性化を目的とした一般リフォーム助成では、市内に本社がある業者への発注が条件になっていることが多く、川口市・長崎市はいずれもその要件を設けています。長崎市は「支社・営業所のみは不可」とまで明記しています。一方、省エネ設備型の助成では業者の所在地を問わない制度もあります。業者を決める前に、この条件だけは先に確認しておいてください

Q. 火災保険と助成金は同時に使えますか

制度が違うので理論上は別々の話ですが、多くの助成制度では「他の助成金を差し引いた額」を対象とするなど、二重取りを防ぐ規定があります。江東区も助成額を「実支出額から他の助成金を差し引いた額」を基礎に算定すると案内しています。保険金の扱いについては自治体ごとの判断になるため、両方を検討している場合は申請前に窓口へ確認してください。なお、火災保険が使えるのは自然災害による損害に限られます。

まとめ

外壁塗装の助成金は、金額を覚える対象ではなく、自分の市区町村の制度を正しく探して確認する手順として捉えるのが実用的です。最後に要点を整理します。

  • 外壁塗装そのものを対象にした助成金は多くない。省エネ・耐震・地域経済・同居対応など、別の目的を持つ制度の中に塗装が含まれるかどうかで決まる
  • 国の省エネ補助事業は、窓・断熱材・給湯器が中心。2026年8月30日時点で確認できた住宅省エネ2026キャンペーンの各事業でも、塗装のみを対象と明記した記述は見当たらなかった
  • 自治体の制度は①省エネ・環境型 ②一般リフォーム助成型 ③耐震改修付随型 ④暮らし方支援型の4パターン。遮熱塗装が対象でも「屋根のみ」の制度がある
  • 着工前の申請が原則。市内業者要件、税の滞納なし、予算枠、抽選、完了報告期限といった共通ルールを先に確認する
  • 探し方は「市区町村の公式サイト→公的な横断検索サイト→窓口へ電話」の3ステップ。業者の説明を最終確認にしない
  • 助成金・火災保険・減税は別の制度。混同を利用した営業には注意する

制度は毎年変わり、予算がなくなればその年度は終わります。この記事に書いた内容も2026年8月30日時点で公式ページを確認したものであり、そのまま来年度に当てはまるとは限りません。最終的な可否と金額は、必ずお住まいの市区町村の公式サイトと担当窓口でご確認ください。助成金が使えるかどうかにかかわらず、複数社から見積もりを取り、内容を比べて判断することが、結果的にいちばん確実な節約につながります。

見積もりを取るときに使えるサービス

ここから先は広告を含みます。自分で業者を探す時間が取れない場合は、一括見積もりサービスを使う方法もあります。ただしこれらのサービスは加盟店からの掲載料で運営されているため、紹介されるのは「その仕組みに参加している会社」に限られます。地元の優良な塗装店が含まれていないこともあるため、あくまで候補を集める手段の一つとして使ってください。この記事で挙げたチェック項目は、サービス経由で集めた見積書にもそのまま使えます。

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リフォーム編集部のアバター リフォーム編集部 株式会社スゴヨク|編集部

「リフォーム」編集部です。運営は株式会社スゴヨク(福岡市中央区/Webサイト制作・Webマーケティング)。外壁塗装・屋根工事・外構リフォームの費用や業者選びを、国土交通省・国民生活センター・住宅リフォーム推進協議会などの一次情報にあたって解説しています。金額や制度には必ず出典を明記し、確認できなかったことは「未確認」と書く方針です。当サイトは施工を行っておらず、特定の業者への送客を目的としない立場で編集しています。

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